2022 Fiscal Year Annual Research Report
Developing community-based programs for frailty in elderly people: an action research on primary care interventions in Thailand and Japan
Project/Area Number |
19H04352
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 友美 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 講師 (00637077)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 正則 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (80584614)
石本 恭子 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (50634945)
渡辺 長 帝京科学大学, 医療科学部, 講師 (40742044)
河森 正人 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (50324869)
速水 洋子 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (60283660)
坂本 龍太 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (10510597)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 介護予防 / フレイル / 地域在住高齢者 / タイ / ADL / 食事摂取状況 / 新型コロナウイルス感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本とタイにおいて高齢期の「フレイル」の実態を社会的また文化的側面から明らかにし、地域の特性にそくした新たな介護予防プラグラムの構築につなげることであった。研究計画では、2022年度は前年の健康診断データの結果を解析し、新たなフレイル指標を開発しそれを用いて再度健診を行いフレイルをスクリーニングすることを予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響が2019年度末から深刻化し、高齢者を対象とした健診の実施は日本とタイの両国で極めて困難な状況となっていた。そこで、課題の予算を繰越をする手続きを行った。 2022年度から、日本やタイで健康診断を実施することが可能になった。2022年度は特に、タイの調査地ナコンパトムにおいて、健康状態の調査を行い183人の健康関連データ(ADL、QOL、身長・体重、食事や口腔の状況、等)を得ることができた。このデータによって、コロナ前に健診を実施した対象者から選出し、コロナ後である2022年の状況を経年的な変化として分析することに成功し、複数の論文にて報告した。また、2022年度の健診時において5年前と比較してADL(身体機能、日常生活動作)を維持できていた高齢者を抽出し、家庭訪問を11件おこないインタビュー調査を実施した。インタビュー調査では、健康増進のための行動(食事や運動、文教活動など)についての具体的な状況を聞くことができ、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による行動変容についても貴重なデータを得ることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響で、高齢者の健診の実施が困難であったため約2年間の研究の遅れがでていた。一方で、2022年度からは調査を実施することができ、また、感染症拡大下における人々の健康への意識の高まりや予防行動など貴重なデータを収集することができたため、予想以上の成果があらわれている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度に実施した健康診断のデータを過去のデータと合わせて縦断的に解析し、ADL(日常生活動作)の低下やフレイルの発生にどのような因子が関連していたかを明らかにする。また、ナコンパトムにおいて、健診フォローの予定をしていた約300人のうち、確認がとれなかった対象者の状況(転出、死亡など)の状況について引き続き調査する。 質的インタビュー調査に関しては、ADLを維持できていた高齢者の家庭訪問を行い、介護予防に関する日常の行動(運動、食、仏教活動など)に関するインタビュー調査の件数をさらに増やし、高齢者にとって介護予防はどのように捉えられているか、予防行動はどのような背景とともにおこるかについて分析を行う。
|
Research Products
(20 results)