2020 Fiscal Year Annual Research Report
Latin American Human Rights Regimes in post neoliberal era
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19H04373
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
宇佐見 耕一 同志社大学, グローバル地域文化学部, 教授 (50450458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
額田 有美 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 外来研究員 (20838528)
松久 玲子 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (40239075)
北條 ゆかり 摂南大学, 外国語学部, 教授 (40263032)
村上 勇介 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (70290921)
柴田 修子 同志社大学, グローバル地域文化学部, 助教 (70573707)
坂口 安紀 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター, 主任調査研究員 (80450477)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 国際人権レジーム / ラテンアメリカ / 先住民 / 移民 / 家事労働者 / 社会的弱者 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、新型コロナウイルス感染症拡大のため、研究計画を大幅に変更せざるを得なかった。予定されていた海外への現地調査は、すべて中止となった。そのため、研究活動は文献調査とインターネットで得られる情報の分析が主なものとなった。研究会は6回開催したが、いずれもズームのリモートでの開催となった。第1回研究会では、今年度の研究計画を立てた。第2回研究会では、各メンバーの研究内容が発表された。宇佐見は、アルゼンチンの事例を担当した。同国において国際人権レジームを反映して社会的弱者の保護に関する国内法が整備されている。21世紀になり中道左派政権では積極的な保護政策がみられたが、2016年の中道右派への政権交代により、運用面で社会的弱者への対応は厳格になっている。 村上はペルーの事例を担当した。ペルーでは国際人権レジームを反映して新憲法により社会的保護が前進した。21世紀になりILOの先住民の権利条約を反映して、先住民の投票権が確立した。今後その実態を分析する。松久はニカラグアからコスタリカへの移民労働者の権利を家事労働者組合の活動を基に分析した。さらにメキシコへの移民の家事労働者の権利を分析する予定である。 北條によるとメキシコから北米への移民労働者は二重国籍者が多い。そおで今後米国とメキシコ両国における二重国籍者の権利保護を分析する。坂口によると、21世紀になりチャベス政権の後継性であるマドゥーロ政権において、国家による住民への人権侵害が多発しているとする。同問題は現在進行形のケースであり、ラテンアメリカの典型的な人権問題であるとする。額田は、 「先住民」に関する国際的・地域的人権レジームを反映し、コスタリカでは「先住民の権利」を保障するためにどのような制度や政策が制定されたのか。特に教育制度や政策に着目して研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、新型コロナウイルス感染症拡大により、予定されていた現地調査や海外研究者との直接交流はすべて中止となった。その代わりに、研究は文献調査とインターネットによる調査が中心となった。文献調査では主として先行研究分析とケーススタディからの情報獲得、インターネットによる調査では主として人権委員会、市民社会組織、政府データーベースや国連機関の公開情報からの現状に関する情報を得た。本研究には現地調査が不可欠であり、その点で当初研究の研究予定より進捗状況はやや遅れていると言わざるをえない。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は新型コロナウイルス感染症の状況によるが、現地調査と現地研究者との直接交流を是非再開させたい。そのうえで、文献とインターネットによる情報収集を継続する。21年度は、最終報告書作成に向けて各メンバーは中間報告を行う予定とする。
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