2021 Fiscal Year Annual Research Report
Latin American Human Rights Regimes in post neoliberal era
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19H04373
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
宇佐見 耕一 同志社大学, グローバル地域文化学部, 教授 (50450458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
額田 有美 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 外来研究員 (20838528)
松久 玲子 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (40239075)
北條 ゆかり 摂南大学, 国際学部, 教授 (40263032)
村上 勇介 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (70290921)
柴田 修子 同志社大学, グローバル地域文化学部, 准教授 (70573707)
坂口 安紀 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター, 主任調査研究員 (80450477)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 国際人権レジーム / ラテンアメリカ / レジーム・コンプレックス / 社会保障 / フェミニズム / アフリカ / ポスト新自由主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究会では、国際人権レジームがラテンアメリカ各国に与えた影響、具体的にはそれによりもたらされた政治的・社会的変容を主として研究することを目的としている。これは比較政治経済学における第二イメージ論である。しかし、人権レジームに関する論点はそれにとどまらず、人権レジームが存在するにあたっての各国の国内的基盤に関する研究がある。他方、ラテンアメリカ各国政治・社会が国際人権レジームの形成・変容に影響を与えた可能性もある。もし逆第二イメージ論的現象が見られたら、そのことも掘り下げて分析する必要があろう。 また、国際人権レジームに関しては、社会権を保障する国際人権A規約と政治的権利を保障する国際人権B規約がある。本研究会で国際人権レジームという場合、両者を指し、社会的権利を擁護する人権レジームも分析の対象とする。先行研究では、政治的権利を保障するB規約に関するものが多く、社会権を保障するA規約と関連させて人権レジームと各国の国内政治・社会を論じた実証研究は極めて少ない。さらに近年の研究によると、国際人権レジームは単一の制度から形成されるものではなく、複数のレジームが複合して形成さるとするレジームコンプレックス論があり、こうした見方も人権レジーム分析の際参考とする。 今年度は、本研究会を含め研究会を6回開催した。新型コロナ感染症の状況に鑑み、ズームによりリモート研究会を開催した。以下第2回研究会では「米州の人権レジーム:チリのケースに焦点を当てて」第3回研究会では、「国際人権レジームと社会保障」、第4回研究会では、「<第三世界>発のフェミニズム -『バルン・カナン』を中心に」、第5回研究会では「アフリカにおける社会的保護:南部アフリカを中心として」、第6回研究会では、「ポスト新自由主義時代におけるラテンアメリカの人権レジーム:地域統合と各国での実戦」に関する研究発表と討議を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度の研究は、前年度同様新型コロナウイルス感染症拡大により予定されていたラテンアメリカへの現地調査と現地研究者との直接交流はすべて中止となった。そのため、研究はインターネットによる情報収集と文献調査が中心となった。海外調査と現地研究員との直接交流ができなかったため、その代替として研究会に本研究会の関連テーマを研究している国内研究者からヒアリングを行った。本研究会を6回開催したが、第2回研究会では、杉山知子氏(愛知学院大学)をゲスト講師に迎え、「米州の人権レジーム:チリのケースに焦点を当てて」に関するヒアリングを行った。第4回研究会では、州崎圭子氏をゲストに迎え、「<第三世界>発のフェミニズム -『バルン・カナン』を中心に」に関するヒアリングを行った。第5回研究会ではアジア経済研究所の牧野久美子氏をゲストに迎え、「アフリカにおける社会的保護:南部アフリカを中心として」に関するヒアリングを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は本研究会最終年度であり、遅れている現地調査、現地研究者との交流、学会での研究会成果の発表を行い、研究成果を研究叢書として出版する準備を進める。現地調査は宇佐見、額田、柴田、北條、松久が実施する準備を進めている。現地研究者との交流は、各研究者が現地調査を行う折りに実施するとともに、アルゼンチンとメキシコから研究者を招請しワークショップを2023年3月に実施する予定である。尚どうワークショップは本科研研究者と同志社大学ラテンアメリカ研究センター合同で実施する予定である。研究成果の学会での発表は、2022年5月に同志社大学で開催される日本ラテンアメリカ学会で本研究会を母体としたシンポジウムを開催する計画である。また、2023年度には本研究会の研究成果を研究叢書として出版する計画を推進する。
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Research Products
(2 results)