2020 Fiscal Year Annual Research Report
The joint research of the Chinese-language magazine Nu-Sheng in Japanese-occupied Shanghai from the viewpoint of Toshiko Tamura, the feminist writer-executive editor
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19H04387
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山崎 眞紀子 日本大学, スポーツ科学部, 教授 (00364208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 照子 大妻女子大学, 比較文化学部, 教授 (50316907)
宜野座 菜央見 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (50795557)
須藤 瑞代 京都産業大学, 国際関係学部, 准教授 (70844687)
江上 幸子 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 名誉教授 (90277955)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 田村俊子 / 日中戦時下の女性雑誌 / 関露 / 戦時下上海 / 日本軍資金による中国語雑誌 / 中国共産党の地下運動 / 日中女性史 / フェミニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
日中戦時下の中国語女性雑誌『女声』研究2年目は、申請書に記したように計画1年目から雑誌そのものに分け入って中身をじっくりと読む方針を継続し、隔月開催で定例研究会を行う予定で、今年度は第9回女声研究会からスタート、令和2年4月18日に開催する予定であった。が、新型コロナウイルス感染予防のため延期となった。結局、対面での研究会は断念し、zoom開催として6月14日(日)に行った。つまり、当初の予定より定例会が1回ほど行えなくなった結果となった。なお、この会から東洋大学専任講師で上海の日本人居留民研究の渡辺千尋が参加となった。 『女声』全38期を読む計画のうち、昨年度の研究会での取りこぼしを拾いつつ、今期は少し遡り、第1巻,8,9期からスタートした。第10回定例研究会は、8月20日(木)に、zoomと対面のハイブリット形式で行った。第1巻10,11期を読み、メンバー全員が参加し各自が担当した記事の分析を行った。なお、この会ではオブザーバーとして、中国演劇・越劇研究の神戸学院大学人文学部中山文教授が参加した。以降から中山文は継続的に研究会に出席、『女声』の演劇欄を担当することになった。 第11回10月11日(日)は感染予防対策が強化されzoom開催(以降の定例会はすべてzoom開催)で、第1巻12期、第2巻1期を各自の専門分野に従って全員が分析担当した。第12回は12月20日(日)、第2巻第2期、第3期を分析。第13回も令和3年2月20日(土)、第2巻4期,5期を分析した。 今年度途中から、上記に記した渡辺千尋東洋大学専任講師と神戸学院大学の中山文教授が研究会に参加したことが特筆される。渡辺は、日中戦時下の上海での日本人研究である日本史専門であるが中国留学経験もあり、中国語が堪能である。中山文は北京・上海で演劇研究を行っており、演劇欄分析担当として本研究を進めることとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
やや遅れているとしたのは、新型コロナ感染症予防のために、隔月開催予定だった定例会が1回実施できなかったことと、この年にアメリカ、北京、天津、上海、台湾への資料調査が行えなかったことによる。また、これまでは研究定例会は対面で一堂に会して時間を気にせずに討議及び研究対象物の検証を行えていたが、zoom会議になってから、時間をはじめとする諸々の制限があり、当初予定していた到達点に至らないところが少々見られた。 しかし、研究会メンバーでスケジュール調整をして、12月と2月はzoomでの会議において,会議開催時間を延長して,研究会を開催することにより、これまでの遅れていた分についてどうにか挽回をはかることができたので「やや」という表現を選んだ。資料調査に関しては、結局渡航することができず、もっぱら国内で行える資料調査に切り替えた。 本研究会は、全員が毎回、自らの専門分野に即した担当記事を選び、記事内容を会のメンバーが共有できるように日本語で丁寧に説明し、そのうえで、視角を決めて分析を行っている。会のメンバーの負担は非常に大きいものであるが、その甲斐があって、徐々に『女声』とはどういう雑誌なのかがわかり始めてきたように思われる年度となった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染予防対策がいつまで継続されるのか予測が出来ないが、可能であれば本年度赴くことができなかった中国への海外調査に行く予定である。 また、zoom開催となってしまったことによる研究会開催回数が1回減ってしまった遅れを挽回すべく、メンバー同士スケジュール調整し,かつ,各々が担当している専門分野箇所を深化させた上で,やむを得ない場合は除いて,なるべく対面での研究会を開催できるようでに調整を行う予定である。 なお、今年度新メンバーとなった中山文神戸学院大学教授と渡辺千尋東洋大学専任講師には、来年度から研究分担者として参加してもらい、中山教授にはこれまで担当者がいなかった演劇欄分析を依頼、渡辺講師には堪能な中国語を駆使して、日中戦時下の日中の上海史の専門性を生かして、『女声』がプロパガンダ雑誌であるのかどうかを同時代の日中の新聞報道を分析し、この問いにアプローチすることを分担依頼した。 研究計画にはなかったことであるが、これらの重要な項目について2名の新メンバーが加わることにより、新型コロナ感染予防対策で後退したかのように見えるこの研究が、むしろ前進できる道筋を立て、成果に向けて計画を立て直すことが出来た。
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Research Products
(2 results)