2021 Fiscal Year Annual Research Report
The joint research of the Chinese-language magazine Nu-Sheng in Japanese-occupied Shanghai from the viewpoint of Toshiko Tamura, the feminist writer-executive editor
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19H04387
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山崎 眞紀子 日本大学, スポーツ科学部, 教授 (00364208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 照子 大妻女子大学, 比較文化学部, 教授 (50316907)
宜野座 菜央見 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (50795557)
須藤 瑞代 京都産業大学, 国際関係学部, 准教授 (70844687)
江上 幸子 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 名誉教授 (90277955)
中山 文 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (30217939)
渡辺 千尋 東洋大学, 経済学部, 講師 (50812731)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 田村俊子 / 日中戦時下の女性雑誌 / 関露 / 戦時下上海 / 日本の資金による中国語雑誌 / 中国共産党の地下運動 / 日中女性史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度も『女声』を丁寧に読み込む研究定例会を偶数月において開催し、各自の論点による記事分析を行った。本年度はじめから毎回二期(月刊誌二か月分)分の分析から三期分(月刊誌三か月分)へとスピ―ドアップし、4月は第二巻六期、七期、八期の分析から開始した。6月は第二巻第九期、十期、十一期を、8月は第二巻十二期、第三巻一期、二期を分析。10月には第三巻第三期、四期、五期を、12月は第三巻第六期、七期、八期を、2022年2月は第三巻九期、十期、十一期を分析し終えた。新年度の4月には残りの三か月分を残すのみとなり順調に進んでいる。 年度当初による計画では、夏期に合宿を行い、各担当者によるテーマ別(論文で扱うもの)論文の中間発表会を行う予定であったが、新型コロナ感染症予防によって実現せず、奇数月の2022年9月と11月、2022年1月に振り替えて行った。9月に江上が関露論を山崎が田村俊子論を行い、11月は宜野座が映画論を、姚が子ども欄、特に日本人が著した童話作品欄の分析を、2022年1月には『女声』発刊当時の中国上海の国際状況を石川が、国際新聞欄の分析を渡辺が行った。同年3月は汪政権寄りの同時代の中国語女性雑誌と『女声』と比較する研究を須藤が、中山は演劇論の分析をした。 昨年度、研究会メンバーに諮り、合議されていた講演会を2回行った。2021年5月30日に『昭和文学の上海体験』を単著にもつ、関西学院大学の大橋毅彦教授を招き、当時、上海で中国語翻訳者として抜群の力を有していた室伏クララについて「室伏クララの『日記』から見えてくるもの」で講演。質疑応答を含め3時間実施。同年10月16日には東京大学の鈴木将久教授を招き、『女声』編集長の田村俊子とも親交が深く日本での長い留学経験をもち、『女声』にも多く投稿していた陶晶孫について、「日本占領下上海の陶晶孫」とのタイトルでの講演会を開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、スケジュールを努めて合わせほとんどフルメンバーで『女声』を読む研究定例会を怠りなく進めていることが理由である。4年計画のうち2年目3年目は新型コロナ感染予防によって対面による研究会開催が難しくなったが、zoomにて順調に進めることが出来ている。 2021年度は、成果公表として出版を目指すことを合議し、その目次立て及びタイムスケジュールも具体的に立てて、それをメンバー間で共有した。各自これまで定例会で分担してきた関心の高い記事をもとに、論文のタイトルも決めて、研究論文執筆へと具体的な準備を開始し研究にとりかかることができた。 2021年度後半からは、中間発表会も開催し、研究会開催が毎月となり、各自研究に向ける時間や負担が大きくはなったが、当初計画していた海外調査に赴く時間や負担分を『女声』を読むスピードアップのほうにあてることができた。以上の理由からおおむね順調に進んでいるといえる。 現在も先の見えにくい新型コロナ感染予防策がとられている状況ゆえ、これまで延期してきた海外調査分の積み残しがあることが「おおむね」という進捗状況の選択となった。つまり、(1)当初の計画以上に進展、を選ばなかった理由である。 総じて3年目の2021年度に成果公表としての出版を目標として取り組むことが出来ているので順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の主たる研究実施計画は成果公表のための出版準備に集中する。『女声』全期の分析を4月の定例会で終えて、5月、6月、7月は2021年度に行った中間発表会の継続として論文発表会を行う計画である。5月、6月はzoomで行い、7月、8月は新型コロナ感染状況が許せば対面で合評会を行い、各自が書いてきた論文に対してメンバー間で客観的に批評しあい、出版に向けて精度の高い論文へと仕上げていく。 4月~6月には出版社を選定し、第1回目の打ち合わせを行い、7月~8月には2回目の打ち合わせを行う。これと並行して必要な取材(国内外)をメンバー各自がそれぞれ行う。10月初めには出版助成費に応募する計画を立てている。 10月、12月には、出版に向けての各自の論文以外の事項チェックや校正作業など具体的な準備を行う。また、『女声』を中心とした、もしくは各自の論文に関する先行研究を最新のものをチェックすることや、出版の際に掲載する翻訳文の精度の確認や、写真のレイアウトなど細かい点の精査を行う。なお、これら作業や調査に伴う出張は、各自が適宜行うこととする。 講演会は5月に『対日協力者の政治構想 日中戦争とその前後』を長与大学出版局から2019年10月に刊行した津田塾大学・関智英准教授を招き、『女声』発刊当時の対日協力者の動向についての講演会を計画している。後半期には『女声』文芸欄分析のためのゲストスピーカーとして、同時代に上海に身をおき田村俊子とも親交があり、作品にも田村俊子をモデルとした女性を登場させている小説を書いた阿部知二という日本人作家の研究者であり、元・大阪学院大学大学の竹松良明元教授を招いて行う予定である。
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Research Products
(11 results)