2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19H04428
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
原田 隆史 同志社大学, 免許資格課程センター, 教授 (30218648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高久 雅生 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (00399271)
小野 永貴 日本大学, 芸術学部, 講師 (10592868)
杉岡 秀紀 福知山公立大学, 地域経営学部, 准教授 (10631442)
福島 幸宏 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 特任准教授 (40531182)
真山 達志 同志社大学, 政策学部, 教授 (50199915)
逸村 裕 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (50232418)
嶋田 学 奈良大学, 文学部, 教授 (50847754)
江草 由佳 国立教育政策研究所, 研究企画開発部教育研究情報推進室, 総括研究官 (60413902)
岡部 晋典 愛知淑徳大学, 人間情報学部, 講師 (60584555)
湯浅 俊彦 追手門学院大学, 国際教養学部, 教授 (70527788)
小泉 公乃 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (70567461)
安形 輝 亜細亜大学, 国際関係学部, 教授 (80306505)
桂 まに子 京都女子大学, 文学部, 講師 (80457902)
岸田 和明 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (90234210)
佐藤 翔 同志社大学, 免許資格課程センター, 准教授 (90707168)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 公共図書館 / 図書館評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は「資料」、「来館者」、「非来館者」、「知の拠点」、「図書館制度・経営」という5つの観点から、日本の公共図書館全体を対象とする大規模な質的・量的調査を実施することで、日本の公共図書館の現状を明らかにし、各館の置かれた状況に応じたベースラインを算出することを目的とするものである。 2020年度は各観点について、以下の調査等を実施した。1)資料:複数の公共図書館から貸出データの提供を受け、天候に応じた貸出冊数・来館者数の変化や、資料の特徴と貸出回数の関係の分析を行った。前者からは曜日の影響が大きいこと、来館者数以上に貸出冊数が曜日・天候等によって高い精度で予測できることがわかった。後者についてはベストセラーについて、貸出回数が多いのみならず、出版後年数に応じた減衰も一般書籍よりも少ないこと等が示された。また、『日本の図書館 統計と名簿』データを用い、図書館・自治体の属性と貸出回数の関連についての調査も実施し、地域によって傾向が大きく異なること等を示した。さらに館内閲覧量の調査を一部図書館で実施した。2)来館者:昨年度に引き続き天候・季節等と来館者数の関係分析を行い、前述のとおり、貸出回数よりも来館者数の予測が困難なことを示した。また、昨年度に加えて地域の中高等学校の定期試験期間が負の影響を持つこと、円相場等の経済状況も影響が確認されることがわかった。3)非来館者:国立国会図書館が実施した情報行動に関するWebモニタ調査の結果データを用い、図書館の利用の有無と様々な属性の関連モデルを、共分散構造分析によって構築した。4)知の拠点:図書館における展示に関し、実施状況・テーマ・展示される図書等の量的調査を実施した。5)図書館制度・経営:関連文献のレビューを実施するとともに、調査協力図書館との関係構築を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度はCOVID-19の流行に伴い、多くの図書館が一時的に休館し、その後も座席数を絞るなど、サービスの縮小が続いた。そのため図書館現場における実験や、その年の状況を観察する調査等は必ずしも予定通りには実施できなかった。しかしその分、既存データを用いた分析を進めたり、過去のデータの取得や代替データの検討を行ったことで、現在のところおおおむね順調に研究は実現できていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の流行は2021年度も続いており、再び非常事態宣言が発出されたこともあって、本実績報告執筆時点で休館する図書館等も増加している状況である。しかし昨年度、同様の状況であっても過年度データの取得や、調査方法の切り替えなどによって対応できたところから、今年度も同様の方法で問題の回避は可能であると考えている。
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Research Products
(4 results)