2021 Fiscal Year Annual Research Report
Novel concept of IVR system based on object identification in X-ray fluroscopic images for drastic dose reduction
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19H04478
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊池 洋平 東北大学, 工学研究科, 准教授 (50359535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 光司 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (20250699)
千田 浩一 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (20323123)
志田原 美保 東北大学, 工学研究科, 講師 (20443070)
渡部 浩司 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (40280820)
狩川 大輔 東北大学, 工学研究科, 准教授 (40436100)
松原 佳亮 秋田県立循環器・脳脊髄センター(研究所), 放射線医学研究部, 主任研究員 (40588430)
松山 成男 東北大学, 工学研究科, 教授 (70219525)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インターベンショナルラジオロジー / 半導体検出器 / 医用画像処理技術 / 低被ばく化技術 / X線エネルギー分解画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題におけるハード面での重要な研究として半導体検出器(Double sided strip型検出器、以下、DSS型検出器)の開発を行った。これはX線エネルギー分解画像を取得可能とするフラットパネル検出器(以下、FPD)のセンサー部分であり、本課題においては半絶縁性ガリウムヒ素(GaAs)を材料として作製プロセスの検討を行うとともに、検出器としての性能評価を実施してきた。今年度(2021年度)においては、作成されたサンプルに対して放射線エネルギーの計測精度の評価を行った。診療X線と同様のエネルギー領域に属する低エネルギーガンマ線光子(60keV)を用いて行った評価の結果、この光子エネルギーをエネルギースペクトル上でノイズと有意に弁別可能であることが示唆された。また、取得されたスペクトルの概形は小ピクセル型GaAs検出器に対して行った同様の先行研究の結果と類似しており、性能追及の上では不利であるDSS型においてこの結果が得られた意義は大きいと考える。さらに関連項目として、表面リーク電流の低減やFPD試作でのパッケージングの容易化につながる検出器表面への不動態パターンの形成を試みたサンプルの作製にも成功した。 前述のFPDを活用した低被ばくIVRシステム実現のためのソフトウェア要素であるX線透視画像上での物体特定手法と低画質画像の改善技術の開発を継続して行った。これまで、機械学習モデルを用いた物体特定技術において線状の医療デバイス(ガイドワイヤーやカテーテルなど)に対して良好な判別性能が確認されていたが、この適用領域を臓器・器官などにも拡大する検討を行った。検討の結果、モデルが得意・不得意とする臓器等の種類があること、また、上記DSS型検出器を想定したX線エネルギー分解画像との併用によってこれらの物体特定の臓器依存性をカバーし得る可能性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の想定した計画に沿って開発を進捗することができた。FPD開発においてはエネルギー計測が可能な検出器が得られたことにより、次なるFPDプロトタイプの試作について大きな足掛かりとなると考える。前項に示した不動態層パターンの他、現在準備中である冷却体系の追加によってもこの性能は向上することが十分予想されるため、当該のプロトタイプが想定性能を発揮することが期待される。 画像技術においては開発中の物体特定技術群の精度等が明らかになってきている。これらの併用を検討・考案することによって当初目標の達成が十分可能であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度と同様に、当初計画した項目について実施していく予定である。まずは、検出器の性能評価に並行して、当該検出器をFPDとして活用するためのパッケージング設計を早期に行って評価が効率的に行えるように準備する予定である。また、ソフトウェア技術に関しては、情報通信研究機構から提供を受けた数値人体組成モデルデータベースを活用してX線エネルギー分解画像と機械学習型の物体特定の両方に対して検討可能な詳細な人体デジタルファントムを作成し、これらの融合技術、さらには、それに基づいた画質改善技術を構築に活かしていく。
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