2019 Fiscal Year Annual Research Report
New-generation medical diagnosis by ultra advancement of X-ray CT
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19H04483
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
有元 誠 金沢大学, 先端宇宙理工学研究センター, 助教 (40467014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 聡 金沢大学, 保健学系, 教授 (30313638)
片岡 淳 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90334507)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | X線CT / フォトンカウンティング / 大規模集積回路 / MPPC |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、新たに64ピクセルアレイの大サイズターゲット(~60mm相当)のCT撮影を実現するフォトンカウンティングCTシステムの基盤構築を行った。過去に開発した16ピクセルのシステムでは、おおよそ10 mmの小さなサイズの撮影しかできていなかったため、新たなシステムを用いることで小動物のイメージングが可能となる。新たに開発したシステムでは、YGAGシンチレータアレイからの光信号をMPPCアレイで読み出し、その多系統電荷信号を独自に開発した64系統の大規模集積回路を用いて高速アナログ・デジタル信号処理が行われる。今年度において新しく開発した大規模集積回路では、以前の試作装置で課題であったX線のエネルギー推定誤差を大幅に抑える機能が盛り込まれており、MPPCの増幅率のばらつきも合わせて補正することが可能となっている。これにより物質同定や造影剤の濃度推定の精度向上が期待される。これらのセンサーアレイおよびフロントエンドエレクトロニクスを組み合わせ、それらをLabVIEWを用いてデータ取得システムを構築し、CT撮影を実現するシステムを完成させた。これにより、小動物サイズのターゲットを撮影できるフォトンカウンティング型CTの基礎となる技術構築を行うことができた。そして、この装置のエネルギーキャリブレーションなどを合わせて実施し、学会で報告した。またX線CTと相補的なモダリティであるMRIのイメージングの性能評価も併せて実施した。 次年度のイメージング能力の評価を行うために、CTやMRIなどの臨床現場の状況を取り入れた様々なファントムの検討を行い、プラチナなどを含む抗がん剤ファントムの製作や医療用ロッドファントムのジグの製作などを進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で実現を目指すMPPCアレイ型フォトンカウンティングCTの開発にあたり、本年度中にいくつかのエレクトロニクスシステムの設計変更や大規模集積回路の多ピンパッケージの検討・製造に想定以上の時間を要してしまい、本年度で実施予定であったファントムや造影剤を用いたイメージング能力の評価を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では、簡易ファントムや様々な造影剤のイメージングを行い、本研究で開発したフォトンカウンティングCTシステムのコントラストや物質同定の性能評価を行う。合わせて臨床CTシステムであるデュアルエナジーCT装置との定量的な比較を実施し、フォトンカウンティングCTの有用性を示していきたい。また本研究で開発したCTシステムは、すでに洗練された臨床CTシステムに比べて、撮影方法が異なる部分も多く、これらの違いを考慮し条件を揃えた方法で、性能評価を進めていく。
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Research Products
(6 results)