2020 Fiscal Year Annual Research Report
Field-based Cognitive Neuroscientific Study of Word Order in Language and Order of Thinking from the OS Language Perspective
Project/Area Number |
19H05589
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小泉 政利 東北大学, 文学研究科, 教授 (10275597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 大地 金沢大学, 歴史言語文化学系, 准教授 (00707979)
木山 幸子 東北大学, 文学研究科, 准教授 (10612509)
大塚 祐子 上智大学, 外国語学部, 教授 (30794474)
遊佐 典昭 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (40182670)
酒井 弘 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50274030)
大滝 宏一 中京大学, 国際学部, 准教授 (50616042)
杉崎 鉱司 関西学院大学, 文学部, 教授 (60362331)
Jeong Hyeonjeong 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (60549054)
新国 佳祐 新潟青陵大学, 福祉心理学部, 助教 (60770500)
玉岡 賀津雄 名古屋大学, 人文学研究科, 名誉教授 (70227263)
伊藤 彰則 東北大学, 工学研究科, 教授 (70232428)
金 情浩 京都女子大学, 文学部, 准教授 (70513852)
那須川 訓也 東北学院大学, 文学部, 教授 (80254811)
里 麻奈美 沖縄国際大学, 総合文化学部, 教授 (80723965)
矢野 雅貴 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (80794031)
小野 創 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (90510561)
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Project Period (FY) |
2019-06-26 – 2024-03-31
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Keywords | マヤ語族 / オーストロネシア語族 / 脳機能計測 / レキシコン・プロジェクト / コーパス |
Outline of Annual Research Achievements |
主語(S)が目的語(O)に先行するSO語順が、その逆のOS語順に比べて処理負荷が低く、母語話者に好まれる傾向があること(SO語順選好)が多くの研究で報告されている。しかし、従来の文処理研究は日本語や英語のようにSO語順を基本語順にもつSO言語を対象にしているため、SO語順選好が個別言語の基本語順を反映したものなのか、あるいは人間のより普遍的な認知特性を反映したものなのかが分からない。この2種類の要因の影響を峻別するためには、OS語順を基本語順に持つOS言語で検証を行う必要がある。そこで、本研究では、SO言語(日本語、トンガ語など)と消滅が危惧されるOS言語(タロコ語、カクチケル語など)を比較対照することによって、人間言語における語順選好を決定する要因ならびに、「言語の語順」と「思考の順序」との関係を明らかにする。聞き取り調査やコーパス調査、行動実験、視線計測、脳機能計測など多様な研究手法を駆使して、SO言語だけでなくOS言語にも当てはまる、脳内言語処理メカニズムに関するより一般性の高いモデルを構築し、言語と文化の垣根を超えて互いに分かり合える、より暮らしやすい共生社会の実現に向けて貢献する。 コロナ禍の影響で海外遠征ができなかったため、日本国内での研究に加えて、台湾とトンガの現地の研究者の協力を得て、主に以下の研究を実施した。(1)トンガ語の話題化とかき混ぜの処理負荷に関する行動実験 (2)トンガ語レキシコン・プロジェクト (3)タロコ語の対話コーパスにかかる動画の撮影と書き起こし (4)日本語レキシコン・プロジェクト (5)国際シンポジウム Issues in Japanese Psycholinguistics from Comparative Perspectives の実施
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、少数民族言語の話者の居住地に赴き、現地で調査・実験を行い、その結果を対応する日 本語の研究の結果と比較対照しようとするもので、海外遠征が必要不可欠である。しかし、新型コロ ナウイルス感染症の世界的な蔓延のため、海外への渡航ができていない。そのため、カクチケル語、タロコ語、ならびにトンガ語に関する研究は、当初の予定よりも遅れているといわざるを得ない。 しかし、その代わりに、研究計画を組み替えて、日本でできる研究(日本語の文・談話処理に関する脳波実験、MRI 実験、語彙特性の研究、音韻の研究など)を当初の予定よりも早いペースで進めている。また、海外協力機関の研究者の協力を得て、一部にリモート調査・実験も取り入れて、カクチケル語とタロコ語のコーパス作成とトンガ語の語彙特性の研究も当初の予定を上回るペースで進行している。以上のように、カクチケル語、タロコ語、ならびにトンガ語の研究に関しては一部に遅れが見られるものの、予定よりも早く研究が進み予想を超える成果が出始めている側面もある。
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Strategy for Future Research Activity |
・日本語とトンガ語のレキシコンプロジェクト(前年度からの続き):言語を習得すると共に、脳内に語彙の心的辞書(mental lexicon)が形成される。そこで、日本語とトンガ語の語彙特性の調査を実施して、処理効率性をWeb 上で検索できるようなサイトを構築する。 ・カクチケル語とタロコ語のコーパス構築(前年度からの続き):カクチケル語の幼児の発話コーパスをCHILDES (Child Language Data Exchange System:https://childes.talkbank.org/) で一般公開する。タロコ語の成人発話動画付きコーパスは、引き続き対話場面の録画と書き起こしを進めるとともに、アノテーションの付与を開始する。 ・日本語の談話レベルMRI 実験:既に実施した談話レベルMRI 実験の結果を受けて、派生語順に対して適切な文脈がないときに観察された情報構造の主効果および情報構造と統語構造の交互作用を生み出す要因が何かをより詳細に検討するために、談話レベル脳波実験と同様のパラダイムを用いた談話レベルのMRI 実験を実施する。 ・日本語の談話レベル視線計測実験:文理解に与える統語構造と情報構造の影響をより自然な条件で調べるために、談話レベル脳波実験と同様のパラダイムを用いて、日本語のかき混ぜ文読解時の視線を計測する実験を実施する。 ・タロコ語の談話レベル行動実験:台湾への渡航が可能になったら、タロコ語を対象に談話レベル行動実験を実施する。
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Research Products
(27 results)
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[Presentation] Auditory comprehension of Japanese scrambled sentences by patients with aphasia: An ERP study2021
Author(s)
Michiyo Kasai, Sachiko Kiyama, Keiyu Niikuni, Shingo Tokimoto, Liya Cheng, Min Wang, Ge Song, Kohei Todate, Hidetoshi Suzuki, Shunji Mugikura, Takashi Ueno, Masatoshi Koizumi
Organizer
International Symposium on Issues in Japanese Psycholinguistics from Comparative Perspectives
Int'l Joint Research
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