2022 Fiscal Year Annual Research Report
The longitudinal study on the effects of early childhood education and care on child development
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19H05590
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野澤 祥子 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (10749302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 喜代美 学習院大学, 文学部, 教授 (00242107)
香曽我部 琢 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 教授 (00398497)
村上 祐介 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (00423434)
小崎 恭弘 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (20530728)
渡邊 由恵 九州産業大学, 人間科学部, 講師 (40739760)
松井 剛太 香川大学, 教育学部, 准教授 (50432703)
滝口 圭子 金沢大学, 学校教育系, 教授 (60368793)
淀川 裕美 千葉大学, 教育学部, 准教授 (60773158)
関 智弘 熊本県立大学, 総合管理学部, 准教授 (60796192)
高橋 翠 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 助教 (60816867)
天野 美和子 東海大学, 児童教育学部, 特任講師 (60817352)
山崎 俊彦 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (70376599)
佐々木 織恵 開智国際大学, 教育学部, 准教授 (70825075)
遠藤 利彦 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (90242106)
佐川 早季子 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (90772327)
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Project Period (FY) |
2019-06-26 – 2024-03-31
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Keywords | 保育の質 / 乳幼児 / 発達 / 自治体の取り組み / 保育環境 / 保護者 / 縦断調査 / コロナ禍 |
Outline of Annual Research Achievements |
第一に、園調査として、全国11自治体の36園に2歳児クラスの保育の質および子どもの発達について調査を実施した。COVID-19の感染拡大防止のため、2022年度は、当初の計画にあった訪問観察調査は実施せず、質問紙による調査とヒアリング調査を実施した。質問紙調査では、園長には園の実施運営について、主任には担任保育者と子どもの関係性について、担任保育者にはクラスの運営及び保育プロセスの質と子どもの発達について、保護者には家庭の養育について回答を依頼した。また、保育室に環境センサーを設置し、CO2濃度、温度、湿度等の居住環境のセンシングを行った。得られたデータから、保育の質及び子どもの発達の実態について、2歳時点での分析を行った。また、保育の質にCOVID-19の感染状況や感染拡大防止対策が影響を及ぼすことが想定されたことから、対象自治体にあるすべての保育所・こども園に対して、2020年・2021度と同様の質問紙調査を実施し、比較分析を行った。さらに、コロナ禍が乳幼児を育てる保護者に与える影響を調査することを目的として、調査会社に依頼してウェブアンケートを実施した。コロナ禍での不安やソーシャルサポートの実態、子育て感情等について尋ねた。末子の年齢が0歳~6歳の保護者2,100名(各年齢300名)から回答を得た。 第二に、自治体調査として、2020年度に全国基礎自治体を対象に実施した、保育・幼児教育に関わる取り組みに関する質問紙調査の分析を行った。2015年に実施した全国基礎自治体調査との比較分析や、人口規模による取り組みの違い等に関して分析した。 第三に、保育者が保育実践を振り返る際に使用することができるアプリについて、公開保育において実際に使ってもらい、見えてきた課題に対応するためのアプリのさらなる修正を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、園を訪問し、「保育環境評価スケール(ITERS/ECERS)」を用い、トレーニングを受けた調査者が観察によって保育の質を評定する予定であった。しかし、2020年度は、COVID-19の感染拡大防止のため、園への訪問が困難な状況であったことから、「保育環境評価スケール(ITERS/ECERS)」による評価は中止した。その代替として、質問紙調査を行うこととし、調査票を作成した。その際に、担任保育者の自己評価を求めることに加え、主任保育者に担任保育者と個々の子どもの関係性を尋ねる調査票を活用することとした。別のインフォーマントによる、より客観的な評価を得ることにより、調査の妥当性を高めることを試みた。また、COVID-19の感染拡大および感染拡大防止対策が保育の質に多大な影響を与えることが想定されたため、当初の計画にはなかった、COVID-19の影響に関する質問紙調査を保育者と保護者に対して実施した。2023年度は、コロナ禍の影響がなくなったことから「保育環境評価スケール(ECERS)」による評価をおこなう調査者のトレーニングを行い、ECERSによる調査を実施した。また、コロナ禍以降の保護者の状況について調査するため、2022年度と同様の保護者への質問紙調査を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
第一に、園調査として、保育の質と子どもの発達に関する縦断調査をさらに進めていく。これまでと同様の質問紙調査と環境センサーによる調査に加えて、園への訪問を行う。「保育環境評価スケール(ECERS)」による保育の質の評価を行うため、各対象自治体の近隣に居住または通勤している調査者をリクルートし、調査者へのトレーニングを実施する。その上で、トレーニングを終えた調査者によるECERSを用いた保育の質評価を行う。また、これまでに得られた縦断データについて、より詳細な分析を行い、保育の質と子どもの発達の関連について明らかにする。さらに、保育の質に関して、プロセスの質、構造の質、実施運営の質の間の関係性についても分析し、日本の保育の質の様相について明らかにすることを目指す。乳幼児を育てる保護者を対象に実施した質問紙調査の結果についても分析を行い、コロナ禍中、コロナ禍後の保護者の状況について検討する。 第二に、自治体調査に関して、2020年に実施した質問紙調査で得られたデータについてさらに詳細に分析を行う。基礎自治体の統計データを収集し、本調査の結果と紐づけて分析することで、保育の質の確保・向上への取り組みに関わる要因について検討する。必要に応じて、基礎自治体に対してヒアリング調査を実施する。 第三に、保育の振り返りアプリを園や自治体の研修等で実際に活用してもらい、その効果を検証する。実際に活用可能なアプリにして普及させることを目指す。
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