2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of ultra-strong magnetic field of neutron stars with highly-sensitive X-ray and Gamma-ray polarimetry
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19H05609
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
玉川 徹 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 主任研究員 (20333312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 弘充 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (10536775)
三石 郁之 名古屋大学, 理学研究科, 講師 (90725863)
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Project Period (FY) |
2019-06-26 – 2024-03-31
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Keywords | 宇宙物理学 (実験) / X線・ガンマ線偏光 / 超強磁場 / 中性子星 / 飛翔体観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) IXPE衛星は打ち上げ前の準備が全て完了し、当初の予定通り2021年12月9日に米国ケネディ宇宙センターから高度600kmの赤道軌道に打ち上げられた。約1ヶ月の初期機能確認を経て、2022年1月から科学運用を開始した。我々が提供したX線偏光計搭載のガス電子増幅フォイル、X線望遠鏡搭載の熱シールドはいずれも、問題なく動作していることを確認した。 (2) 我々IXPEマグネター観測チームは、4U 0142+61 を1月31日から2月27日まで観測し、データの品質確認や初期解析を行なった。その結果、統計的に有意にX線偏光が観測できていることを確認した。 (3) 日本が提供する XL-Calibur 気球実験用硬X望遠鏡に対して、SPring-8 シンクロトロン放射光 (20-70 keV) を利用して、エネルギー毎の結像性能・有効面積を較正した。望遠鏡を20℃に保つためのヒーターと温度計も取り付けを完了した。可視光の平行光を利用することで、天体の観測方向と偏光計の方向をモニターする2台の可視光カメラと硬X線望遠鏡の光軸関係も測定した。これにより、望遠鏡のフライト準備が完了した。硬X線偏光計については、0.8 mm厚に薄くしたCZT半導体検出器(主検出部)と、阻止能の高いBGOシンチレータ(アクティブシールド部)の組み上げを、米国において実施した。 (4) 接着剤により一体化された IXPE 搭載熱制御素子の経年劣化や接着前後の状態を比較するために、小型かつ解像度の良いビデオスコープによる評価システムを構築した。これを用いて各接着部の様子をリアルタイムで観察し、フライトスペア品の品質評価を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IXPE衛星は予定通り打ち上がった。全ての観測機器が問題なく動作していることを確認し、科学観測を開始した。すでにマグネター1天体目の観測を終了し、統計的に有意な偏光が得られることが確認できた。データ解析は順調に進んでおり、半年程度で確実に論文化できる目処が立っている。XL-Calibur 気球実験は、2022年初夏のスウェーデンにおけるフライトに向けて準備が予定通り進んでいる。以上より、概ね順調に計画が進捗していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
IXPE衛星は予定通りにマグネター観測が進んでいる。2021年度に取得した 4U 0142+61 のデータ解析を進め、早期の論文化を目指す。今後、2天体目、3天体目の観測を行う予定なので、そのための候補天体の選定を進める。XL-Calibur は2022年初夏のフライトを実施するとともに、取得したデータ解析を進める。硬X線領域での世界初の高感度偏光観測を目指す。
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Research Products
(20 results)