2021 Fiscal Year Annual Research Report
Fc 受容体への親和性改変を指向した生体内抗体修飾反応の開発
Project/Area Number |
19J00396
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
六車 共平 東京工業大学, 物質理工学院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 抗体 / ペプチド / ルテニウム / 化学修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗体Fc部位を選択的に化学修飾することにより、抗体のFc受容体への親和性の改変に基づいた生体内抗体の機能制御を目的とし、生体内に適用可能な抗体修飾反応の開発をめざした。2021年度は、ヒト血清アルブミン(HSA)を核とするキャリアー分子とルテニウム触媒との複合体およびp-アミノベンジルフルオリド構造を有する反応基質を利用したがん細胞修飾反応をマウス体内で行い、本結果を研究成果として学術誌(Chem. Sci. 2021, 12, 12266)に報告した。この報告は、比較的不安定なルテニウム触媒をHSAと複合体を形成させることにより安定化し、生体内で利用できることを示したものであることに加え、ルテニウム触媒ーp-アミノベンジルフルオリドの触媒系が、抗体修飾反応に利用可能であることを示唆した。次に、抗体修飾に利用するために抗体結合ペプチド構造をルテニウム触媒に導入した化合物を合成した。10ステップの合成経路で、複数種類の誘導体を合成することに成功した。合成した触媒ペプチドはヒト血清アルブミンに対する結合能を示し、HSA複合体を形成することによって触媒の安定化作用が発揮されることが示唆された。また、単純な基質を用いたモデル実験では有意な基質変換能力を示した。すなわち、昨年度開発したp-アミノベンジルフルオリド構造を有する反応基質を用いたタンパク修飾反応により抗体修飾に利用できるものであり、生体内抗体修飾反応の基盤を確立することに成功した。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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