2019 Fiscal Year Annual Research Report
数理モデル解析による幻覚の発現に関わる神経基盤の解明と治療戦略の構築
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19J01300
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡部 宏幸 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | レビー小体型認知症 / 幻覚 / 妄想 / 情動 / 介護 |
Outline of Annual Research Achievements |
幻視とは、実際にはないものが存在するかのように見えてしまう幻覚のことである。自発的な現象であるため、患者が幻視を体験しているところを診察や実験場面等で都合よく医療者が遭遇できることは少ない。 我々は先行研究で、幻視と現象学的にも神経学的にも類似した「パレイドリア」という錯視を幻視の代用尺度として患者から誘発し、幻視の有無を推定し定量化する方法を作成した。そこで本研究では、上述の研究成果を発展させるべく、幻視が生じることの多いレビー小体型認知症を対象に、幻視様錯視であるパレイドリアの発現と関連する脳領域をSPECTおよびMRIのVBM法で解析し、幻視の発現に関与する神経基盤を明らかにすることを目的としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特別研究員採用1年度目は、幻視と似た錯視を誘発するパレイドリア・テストをレビー小体型認知症患者12名に実施しデータを収集した。他の神経心理学的検査や、MRI、SPECTデータも同時に実施しており、おおむね順調にデータを取得できている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は、レビー小体型認知症患者の錯視や幻視の発現と関連する脳領域をMRIおよびSPECTを用いて解析するためにおおむね順調にデータを取得できており、今後も引き続き症例数を増やしていく予定である。
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