2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K00033
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
吉満 昭宏 琉球大学, 人文社会学部, 准教授 (10585227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜崎 盛康 琉球大学, 人文社会学部, 客員研究員 (30208574)
大城 信哉 琉球大学, 人文社会学部, 非常勤講師 (20836259)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 道理性 / クリティカル・シンキング / 決疑論 / S・トゥールミン / L・ライト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「道理性(reasonableness)」概念における「原理編」と「応用編」から成る。3年目(2021年度)はその原理編では、論文の形となった成果こそなかったものの、(計13回を超える(ただしコロナ禍により前年度より更に回数は減っている。))読書会・研究会を通じて、道理性概念についての理解を深めることができた(例えば、研究会での議題を挙げると、「看護師の思考法とクリティカルシンキング及び道理性」(2022年1月28日:浜崎発表)、「決疑論と共同体主義」(2022年2月17日:吉満発表)、「イングランド宗教改革期のふたつの決疑論について」(2022年3月25日:大城発表))。 他方で、その応用編では「クリティカル・シンキング(「CT」と略)」と「決疑論(casuistry)」に関してそれぞれ論文の形となって成果を出せた。前者に関しては論文「L.ライトの探求的診断法と医師の思考法」にて、ラリー・ライトの文献研究を通じて彼の「探求的診断法」について概観することができ、更にこれを「医師の臨床判断」と比較検討することができた。後者に関しては論文が二つあり、一つ目は「決疑論は方法か態度か」で、そこでは、決疑論には「方法」と「態度」という二つの側面があることを、具体例の検討を交えつつ論じた。二つ目は論文「初期アングリカニズムとふたつの決疑論」で、そこでは、16世紀から17世紀にかけてのイングランド教会におけるピューリタニズムとアングリカニズムという二つの神学的動向の違いと、それに連動した両者の決疑論的態度の相違について考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は原理編と応用編からなるが、共に進展している。しかし、2021年度もやはりコロナ禍の影響で、当初予定していた「調査研究」や「CT関連研究会への参加」が全く行えなかったので、「やや遅れている」とする。なお、このような事情から研究計画を当初の3年から1年延期したので、2022年度は是非とも遅れを取り戻し、更にこれまでの成果をまとめたいと思う。
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Strategy for Future Research Activity |
・原理編での「道理性概念の歴史的考察」 ・応用編での「探求的診断法と看護師の思考法との比較検討」 ・応用編での「応用哲学の方法論としての決疑論」 ・対外活動での「国内での学会発表」「CTに関する調査(国内外)」 ・最終年度としての成果の集大成
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Causes of Carryover |
・2021年度もコロナ禍の影響により、引き続き「調査研究」や「CT関連研究会への参加」が行えなかったため。 ・2022年度は「調査研究(国内外)」や「CT関連研究会への参加」や「集大成的な論文集の出版」に充てたいと思う。
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Research Products
(4 results)