2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K00092
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
斎藤 英喜 佛教大学, 歴史学部, 教授 (40269692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 奈津子 佛教大学, 総合研究所, 特別研究員 (50772555)
八木 透 佛教大学, 歴史学部, 教授 (70200475)
星 優也 池坊短期大学, その他部局等, 講師 (50850583)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 神楽 / 祭文 / 中世神道 / 民俗信仰 / 民俗芸能 / 近代神道史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年9月24日に、研究代表の斎藤と分担者の星優也、協力者の井上隆弘の三名でオンラインで今後の研究会について協議した。その協議の結果、2021年12月11日午後2時から6時まで、第四回目の研究会をオンラインで開催することができた。以下の3名が研究報告を行った。 その内容は、①斎藤英喜「折口信夫「鎮魂」「神楽」研究・再考」は、神楽の発生論にかかわる折口信夫の「鎮魂」論を、近代神道史の文脈のなかで再検討する必要があると思われ、その課題をめぐって報告した。②星優也「吉田神道と神楽ー天理図書館蔵『宗源神道根元式』をめぐってー」は、「文明年間」の年号がある吉田家の資料が「浄土神楽」にかんする吉田家の言説が見られるものについて、吉田文庫蔵のものを再調査した結果なども報告した。③井上隆弘 「東北における両部習合神道の展開と神楽―「三輪流両部習合神楽秘伝鈔」をめぐって―」は、宮城県加美町の薬茉神社に伝来する近世資料を、「両部神道」と神楽との関係を示すものとして解読した。 以上の内容について、鈴木正崇、伊藤聡、松尾恒一によるコメントをうけて、また参加者で討議した。ここから神楽の中世的展開のなかで、近世、近代における諸問題を具体化していく研究の方向性をつかむことができた。またこの研究会の成果をふまえて、分担者の八木透、星優也と今後の方向性について協議した。その結果は「今後の研究の進捗の方策」に記したように、「地域と歴史のなかの神楽」というタイトルの報告論集を刊行する方向に決まった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた奥三河の花祭り、高知県歴史民俗資料館の資料調査、宮崎県の神楽調査などがコロナの関係で、まったく行うことができなかった。そのためにフィールドワークの成果は得ることができていない。 一方、研究会のほうも対面で行うことが不可能なために進められなかったが、ようやくオンラインでの研究会を開催することができた。予定した内容には到達できていないが、研究会での議論から、今後の進捗の方策などは得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
フィールドワークを行う目途がたたないために、研究代表の斎藤からの提案で、これまでの研究成果を踏まえた報告書を刊行する計画を立てた。その方向について他の分担者、研究協力者からも賛同をえて、以下の内容の論集の刊行を進めることになった。総タイトル「歴史と地域のなかの神楽」。以下執筆予定者。 斎藤英喜「折口信夫「神楽」研究・再考」、星優也「岩戸神楽説の形成と展開」、八木透「コロナ禍のなかの神楽 早池峰神楽から」鈴木正崇「神楽の近代―大乗神楽の事例から」、松尾恒一「八幡信仰と細男舞-中世前期、対馬を起点とする半島との交流・戦闘と神楽-」、岡宏三「16世紀末出雲における社人・巫女の組織化と神楽」、中嶋奈津子「権現舞と墓獅子(仮題)」、矢嶋正幸「五行神楽から岩戸開きへ」あるいは「太々神楽の経済学」、井上隆弘「土佐東部の神楽・いざなぎ流・荒神神楽」、梅野光興 「土佐カグラ考」、松山由布子「奥三河の『大土公神祭文』ーその種類と特徴ー(仮)」
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Causes of Carryover |
コロナの関係でフィールドワーク、並びに対面による研究会が開催できなかったため。次年度の使用計画は、「地域と歴史のなかの神楽」と題した報告論集を刊行するための出版費用に充てる予定である。
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Research Products
(10 results)