2019 Fiscal Year Research-status Report
第一言語および第二言語におけるメタファーの創造と解釈可能性に関する実証的研究
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19K00566
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
中村 裕昭 弘前大学, 教育推進機構, 教授 (00559205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Birdsell Brian 弘前大学, 教育推進機構, 講師 (40646296)
立田 夏子 弘前大学, 教育推進機構, 講師 (50364831)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | metaphors / multimodal / creativity / embodied / cognitive |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、英語と日本語の二言語を通してマルチモーダルメタファー(多面的隠喩)の研究を行った。調査は英語と日本語の母国語話者を被験者とし、webのアンケートによる多様なメタファーの発出と解釈のデータを提示し、その結果を分析した。本研究の成果は二つの国際会議で発表された。(1) 第15回世界認知言語学学会(The 15th International Cognitive Linguistics Conference)(2019年8月6~11日於関西学院大学)と(2) 第33回太平洋アジア言語情報計算学会(the 33rd Pacific Asia Conference on Language, Information, and Computation)(2019年9月13~15日、於函館未来大学)である。またPACLIC33では、査読付き論文として"Making Metaphors: A Quantitative Analysis of Metaphor Production and Interpretation in Japanese Using a Multimodal Task"がプロシーディングスに所収された。年度後半では、これらの研究の継続として、性格的傾向、好奇心と(メタファーの)新規性に対する研究を開始して、現在はこの調査の結果を分析しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究プロジェクトの初年度は順調に進めることができ、二つの国際会議で研究成果を発表し、査読付き論文も公刊した。現在のコロナ肺炎の状況から、短期的には研究に遅滞が生じることも予測されるが、メタファーと創造性、好奇心に関する被験者のデータをオンラインで収集するように変更するとともに、令和2年度は二つの会議に遠隔発表することを計画している。ただ現在の状況を鑑み、学会の実施状況には不確実性も懸念される。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、二つの文脈におけるメタファーのフレーミングの効果を研究する。最初は、画像による広告で頻繁に観察されるような、視覚的メタファーが、どのようにして、視聴者の製品に対する認知に無意識に影響を与えるかを検討する。この調査の遂行のために、我々は、実験参加者に二つの条件下で商品を見てもらい、この製品の特長についての感じ方を答えてもらう。目標は、メタファーを含む広告を見た実験参加者が、同一製品の特長をより高く評価するかどうか、を知ることである。2番目の実験文脈は、第二言語におけるメタファーのフレーミングに関係する。我々は参加者の第二言語(英語)における短い文章を考案した。そのいくつかはメタファー的フレームが含まれてたもので、被験者は、この話題についていくつかの質問に答える。目的は、メタファーが、被験者の質問に対する答え方に影響を与えるかどうかを明らかにすることである。
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Causes of Carryover |
当初予定した額に、旅費、書籍、消耗品などでわずかな誤差は出たものの、ほぼ予定通りの学会出張と必要な書籍は購入できた。残余は次年度の旅費や消耗品等に充てる予定である。
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Research Products
(3 results)