2019 Fiscal Year Research-status Report
修辞機能と脱文脈化の観点からの日常談話テキスト分析
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19K00588
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
田中 弥生 神奈川大学, 外国語学部, 非常勤講師 (90462811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水澤 祐美子 成城大学, 文芸学部, 准教授 (10598345)
浅原 正幸 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, コーパス開発センター, 教授 (80379528)
天谷 晴香 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 音声言語研究領域, プロジェクト非常勤研究員 (80806159)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 修辞機能 / 脱文脈化 / 談話分析 / テキスト分析 / 発話機能 / 日常会話 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日常生活における様々な談話の分析に「修辞機能」と「脱文脈化」という観点の活用を提示することである。研究方法としては、①修辞ユニット分析の手順によって談話データを分類し、②従来の談話分析における発話機能・談話機能との連関を確認する。また、③同一または類似した話題の書き言葉と話し言葉の違いや、課題遂行発話と雑談のような目的の違いなどから生じる異同や特徴を確認する。 初年度である2019年度は、まず、環境を整えるために、情報機器・周辺機器等や談話分析、日本語学、統計分析などについての書籍などを購入した。 英語の談話分析手法として提示されたRhetorical Unit Analysis(修辞ユニット分析)の日本語における適用基準を確認し、分析データを準備、整理、選定し、第一次分類作業を行うことを計画していた。 分析データについては、国立国語研究所で現在構築中の「日本語日常会話コーパス」のモニター公開版などのデータ、および、ニュース映画ナレーションデータから選定し、作業者に指示書を示して分類作業を進めたのち、その結果から修辞機能および脱文脈化程度について分析した。幼児の両親との食事場面での会話における修辞機能と脱文脈化程度に関する特徴について、言語資源活用ワークショップにおいて発表し、手順を説明する談話における修辞機能や脱文脈化程度の構造や、ニュース映画のナレーションの脱文脈化程度について、言語処理学会研究大会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は研究開始の初年度にあたるため、研究、調査と、研究結果の分析に必要な備品や参考図書のうち、主要なものを購入し、先行研究について分析を行った。研究担当者は随時連絡を取り合い、各自の担当の作業や研究を進めていったが、年度末に予定していた全体での打ち合わせは、新型コロナウィルス 感染拡大防止のため、延期となった。各自分析や研究発表を進めているが、予定の変更などによりデータ準備が遅れ、次年度以降に行うことになったものもあり、分類できるデータ量が当初の計画より少なくなった。そのため、進捗はやや遅れていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目となる2020年度は、まず2019年度に分類作業が終わっているデータについて、分析を進め、学会発表や論文での発表を行う。さらにデータ量を増やし、作業者による分類作業や、分析を進めていく。また、手順書の公開に向けた準備にも着手する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 謝金について、データ準備の遅れによって、分類作業の量と回数が当初予定より減ったこと、および、新型コロナウィルス 感染拡大予防の観点から、学会研究大会の現地開催が中止となり、出張費を支出しなかったこと、打ち合わせのための出張も支出をとりやめたことなどから、次年度使用額が生じることとなった。 (使用計画) 謝金による分類作業をさらに進める。研究分析環境の整備のため、情報機器関連を追加購入する。作業者との打ち合わせや、成果発表のための旅費の支出が発生する。
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Research Products
(11 results)