2021 Fiscal Year Research-status Report
修辞機能と脱文脈化の観点からの日常談話テキスト分析
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19K00588
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
田中 弥生 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 音声言語研究領域, プロジェクト非常勤研究員 (90462811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水澤 祐美子 成城大学, 文芸学部, 准教授 (10598345)
浅原 正幸 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, コーパス開発センター, 教授 (80379528)
天谷 晴香 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 音声言語研究領域, プロジェクト非常勤研究員 (80806159)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 修辞機能 / 脱文脈化 / 談話分析 / テキスト分析 / 発話機能 / 日常会話 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日常生活における様々な談話の分析に、「修辞機能」と「脱文脈化」という観点の活用を提示することである。研究方法として、1)修辞ユニット分析の手順によって談話データを分類し、2)従来の談話分析における発話機能・談話機能との連関を確認する。また、3)同一または類似した話題の書き言葉と話 し言葉の違いや、課題遂行発話と雑談のような目的の違いなどから生じる異同や特徴を確認する。 本研究で用いる修辞ユニット分析は、英語の談話分析手法として提案されたRhetorical Unit Analysisを元にしているが、本研究のアノテーションの過程やアノテーション結果をふまえて、分類手順の課題を検討し、日本語における分類手順の確立をめざしている。 2021年度は、初年度と2年目に続いて、さらに談話データについてアノテーションを進めるとともに、日本語文法の先行研究を確認してまとめ、手順書の作成にとりかかっている。また多様な談話・テキストへの適用の検討も進めている。新型コロナウィルス感染拡大防止のため、対面での打ち合わせはかなわず、個別にZOOMによる打ち合わせを数回行った。 分析データには、国立国語研究所で構築中の「日常会話コーパス」のモニター公開版(2022年3月本公開)に収録されているデータ、及び、作文データ、高齢者談話の「共想法」データなどを利用した。日本認知科学会第38回大会、言語資源活用ワークショップ2021、言語処理学会第28回年次大会、シンポジウム「日常会話コーパス 」VII、などで発表し、『国立国語研究所論集』に論文を投稿し、掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度のデータ準備の遅れ、2年目のアノテーションの遅れの影響もあり、本年度もアノテーション作業に遅れが生じている。そのため、1年の延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの分析によって、もともと英語の分析法Rhetorical Unit Analysisを日本語に適用した「修辞ユニット分析」には、分類手順における課題があることが明らかになってきている。それらの課題や、これまでの多様な談話やテキストへの分析の結果を整理して、手順書をまとめ、「修辞機能分析」として提案してする。
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Causes of Carryover |
アノテーション作業が遅れ気味のため、次年度使用額が生じている。
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Research Products
(7 results)