2020 Fiscal Year Research-status Report
On Non-manual Expressions in Japanese Sign Language
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19K00590
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
今里 典子 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (90259903)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 日本手話(JSL) / 非手指表現(NME) / 口型 / 文法化 / ジェスチャー / 構文 / 借用 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度末からのコロナ禍で、研究協力者とマスク、あるいはフェイスガードなしで直接対面することが不可能となった結果、「研究協力者(ネイティブサイナー)への対面でのインタビューでデータを撮影し、本人に撮影した映像を直接提示し、そのデータに基づいたテストと確認作業を行う」というフィールドワークを中心とする当研究は実質的に実行が困難となった。 代わりに(1)以前に撮影を行っていたデータの一部を利用し、2019年度に部位別に整理した非手指表現(NME)リストに従ってNMEをマークし、それら個別のNMEについて、①形と形の変化、②共起する手指表現を中心とする環境、③共起する他のNMEの種類、④意味と意味変化の特に4つの観点から分析を試みる一方、研究の継続を可能にするために自然なディスコースからのデータ分析とテストという手法は一旦諦め、方針を変更し(2)「手話語り」の映像データを入手し、同様の観点での分析を試みている。作業は未だ途中であり、ネイティブサイナーへのテスト及び確認も済んでいないことから、具体的な成果は公表段階ではない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は、コロナ禍により研究計画作成当初の方法、つまり研究協力者との対面を前提としたインタビュー・テスト・確認の作業が全く実施できなくなったことから、ほとんどの計画を予定通り進めることができなかった。対面インタビューの代わりに、ネイティブサイナーによる「手話語り」映像データを入手し使用許可を得て分析に着手するなど対応しているところではあるが、このデータ分析に関しても必要なテストや確認ができないので、作業は大幅に遅れている。この期間の研究については、可能であれば研究期間の延長を行う必要があると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度も当初想定した直接対面インタビューは予定通りには行えないことが予想されることから、過去の一部映像、あるいは「手話語り」映像データ分析だけでなく、オンラインでのインタビューやテストを行うための準備を進めてきている。オンラインでの対応が可能な複数の研究協力者に新たに協力を依頼し、許可を得て、実施が可能なところまで進んでいる。直接の対面が叶わない状況で、テストや確認作業を正確に行えるように方法を工夫している。当初計画において、本来2020年度に実施するべきだったほぼ全ての作業を、新しい方法で今年度から開始する計画である。
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Causes of Carryover |
昨年度に引き続き、当初予定していた研究協力者とのセッションが、コロナの影響でできなくなった結果、人件費・謝金は使用していない。また出張も行えなかったので支出していない。これらの予定変更による未使用分が残り、次年度使用額が生じている。
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