2021 Fiscal Year Research-status Report
多読の実践を通じた日本語教師の言語教育観・言語能力観の変容に関する研究
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19K00699
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
佐々木 良造 静岡大学, 国際連携推進機構, 特任准教授 (50609956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香月 裕介 神戸学院大学, グローバル・コミュニケーション学部, 准教授 (30758785)
鴈野 恵 筑紫女学園大学, 文学部, 准教授 (60713352)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 日本語多読 / Extensive Reading / 省察 / 言語教育観 / 言語能力観 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、2019年度末に実施した多読実施状況調査の結果をまとめ、調査協力対象である日本国内の日本語学校に結果を送付した。加えて、2回目の多読実施状況調査を行い、本報告書作成時現在、回答を回収している。 研究の成果としては、日本国内における多読の実践報告、タイ国内におけるオンラインでの多読の実践報告、多読時の読み速度に関する研究、教師の内省に関する研究およびベトナム語母語話者を対象とした読解過程の調査研究があげられる。日本国内における多読の実践報告は、学部1年次を対象とした新書の通読課題の困難点を明らかにした。本研究では教育的配慮が施された多読の読み物から、実際の読みに移行する段階をどのようにサポートできるかについて検討した。多読時の読み速度に関する研究では、中国語・韓国語を母語とする中級から上級の日本語学習者が、多読向けの読み物を読むとき、どのレベルの読み物を読むのに、どのぐらい時間がかかるかを調査した。読み速度を明らかにすることにより、授業に多読を取り入れる際に、どのレベルの読み物を何冊ぐらい読むことができるかの目安とすることができる。教師の内省に関する研究では、省察を促す方法としてティーチング・ポートフォリを利用する可能性をさぐった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定では、多読実施状況調査をきっかけとして、多読に関心のある日本語教育機関あるいは教師にインタビューを行う予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大により、対面による調査の実施が困難となった。
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Strategy for Future Research Activity |
2回目の多読実施状況調査の結果をまとめ、関連する学会または研究会で報告する。また、新型コロナウイルスによりストップしていたインタビュー調査を再開する。 インタビュー調査から、本研究課題の中心である多読による言語教育観・言語能力観の変容の事例を収集する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により調査が実施できず、調査に伴う旅費等の支出がなかったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、今年度実施できなかった調査のための費用とする。
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