2019 Fiscal Year Research-status Report
Japanese-Language Education as a Legacy of Colonial Manchuria
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19K00711
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金 テイ実 九州大学, 留学生センター, 訪問研究員 (30733323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郭 俊海 九州大学, 留学生センター, 教授 (20377203)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 満洲 / 日本 / 朝鮮人 / 学校 / 教師 / 学習者 / 教材 / 日本語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、植民地満洲で行なわれた日本語教育の実態とそれが遺産としてその後の現地の自力での日本語教育に与えた影響を解明することにより、これまで本格的な研究の俎上に載ることがなかった日本植民地下の日本語教育について教育史上の空白を埋め、中国東北地域における日本語教育の歴史のアウトラインを提示すると共に、日本語教育の観点から日中関係史の再構築を図ることを目的としている。 満洲における日本植民地下の日本語教育について今まで明らかにしなかった学習者、校舎、当時教師や学習者が残した教材、教師の調査研究によって遺産にスポットライトを当てて、戦前の日本語教育が遺産として戦後の現地の自力での日本語教育の発展に果たした役割に関する研究に特色があり、現地における今後の日本語教育の発展に本研究が一助となると思われる。 本研究は文献研究であるため、本年度は既に収集した史料から満洲各地域に存在した学校、学習者、教材、教師に視点を置いて、もう一度読み直し、分析を行った。また、補充作業として中国の档案館と図書館への調査を行い、入手した史料やデータの整理と検討を行った。 史料分析と調査によって、中国東北部吉林省南部に位置し、東はロシアの沿海州チャサン地区、南は豆満江を挟んで北朝鮮の咸鏡北道と向かいあっている延辺地域を巡ってさまざまな力学が働き、住民の70%以上が朝鮮人であるため、朝鮮人を巡る中日間の紛糾は後を絶たなくなり、通訳養成学校が設立したとの実態が明らかになった。 以上の、調査研究の成果を論文としてまとめ、学会で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の遂行に向けて、文献を読み直し、中国への史料調査も行った。閲覧制限で調査できなかった史料もあったが、新史料の発掘もできており、順調に進んでいると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今まで韓国で収集した史料から満洲各地域に存在した学校(校舎)、学習者、教材、教師に視点を置いてにもう一度読み直し、分析を行うと同時に、韓国の図書館に向かい、朝鮮総督府関係資料の調査を行う。また、中国・韓国の史料をすり合わせて検討を行う。
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