2019 Fiscal Year Research-status Report
音声情報の視覚化による日本語学習者のための会話教材の開発
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19K00722
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
鹿島 央 南山大学, 人文学部, 研究員 (60204377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 慎吾 岐阜大学, グローカル推進機構, 教授 (20293582)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | リズムの表示 / アクセントの表示 / イントネーションの表示 / 初級学習者 / 英語話者 / 会話文 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、発話文を視覚化することで学習者に対して発音上の手がかりを明示的に示し、聞き手にとって負担の少ない発話を学習者が実現できるようにすることを目的とし、その上で、会話教材を作成することを最終的な目的とするものである。今年度行ったことは、視覚化表示の妥当性、実験方法の策定、実験実施手順の作成、学習者への説明のためのパワーポイントの作成、実験協力者の公募要領の作成までである。本研究の最大の意義は、語、句、発話文について、長さ(リズム)と高さ(アクセント、イントネーション)の表示を視覚的に示すことができる点である。今年度は、語レベルでの表示を中心的に検討してきたが、特にアクセント核の表示をどのように示すと効果的かを課題とし、学習者に使ってもらい検証することとした。将来的にWeb上での利用も考慮し、長さと高さの表示が自動的にできる方法も考案した。実験方法の策定については、実験協力者(英語を母語とする初級学習者10名)、資料語(2拍から5拍まで84語)、生成実験と聴取実験(ABX法によるアクセント聴取)の内容について細かく策定した。実施手順については、このプロジェクトの説明会を開催することとし、協力者に視覚化教材の説明を行うためのパワーポイントを作成した。20分程度の説明であるが、この際に、二つのグループに分け、アクセント表示の異なる図をそれぞれのグループに示すことにした。説明会では、背景調査のアンケートを実施し、その後で、聴取実験、生成実験を二つのグループに分けて実施することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本学では、英語を母語とする学習者が多いのが特徴であるが、研究の遅れの最大の理由は、現在のコロナウイルスの影響で学習者が帰国してしまったことである。
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Strategy for Future Research Activity |
実験協力者を確保するために、オンラインでの収録方法を考えている。協力者は、英語母語話者としているが、他の言語話者に変えることも検討中である。実験内容としては、語レベルでの表示の妥当性が検証された後で、文のレベでの分析を行うので、その資料についても 現在検討している。最終的には、会話レベルの音声を対象とするので、初級教科書の分析と会話での音声項目のシラバスについても検討する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、コロナウイルスにより、2,3月に予定されていた学会が中止になったことと、予定していた聴取実験、生成実験ができなくなり、収録後での結果の分析、整理に協力を依頼する予定の人件費が不要になったことによります。
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