2021 Fiscal Year Research-status Report
音声情報の視覚化による日本語学習者のための会話教材の開発
Project/Area Number |
19K00722
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
鹿島 央 南山大学, 人文学部, 研究員 (60204377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 慎吾 岐阜大学, グローカル推進機構, 教授 (20293582)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 発音の視覚情報 / リズム型 / アクセント型 / 段差表示 / 傾斜表示 / 語レベル / 文レベル / 教材化 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的の一つは、音声の視覚表示の妥当性と発音の自然性との関連を分析することです。2020年度末の2月から、オンラインでの収録ができるようになり、これまでに9名の収録を行いました。各実験協力者にはそれぞれ2回の収録をお願いしていますが、米国との時差の関係で収録時間が夜中や夕方であったりで疲労度など環境要因がかなり異なっています。 収録では、最初の4名については音韻的な表示(ここでは段差表示とします)を使い、後の5名については、音声的観点を導入した表示(ここでは傾斜表示とします)を用いています。 分析の観点は、1回目の収録では以下の項目です。 (1)語の意味の既知、未知でのアクセント型はどのようになっているか。(2)アクセント型の生成傾向を以下の(a,b,c,d,e)の項目について分析する。a.有核語を有核で、b.無核語を無核で、c.有核語を無核で、d.無核語を有核で、e.有核語を位置のちがう有核で(3)語レベルのアクセント型と文レベルの同じ語のアクセント型の違い(4)聴取傾向と生成傾向との関連 1回目の分析結果に基づき、誤答の語および文レベルで誤答になった語を含む文を、視覚表示を参照することで、どの程度修正ができ、より自然な発話にすることができるのかを分析しています。これまでの結果では、傾斜表示のほうが音声的な手掛かりがある分、より自然な発音につなげられるように思われますが、まだデータとして少ないので、さらに調査協力者を増やし、調査をつづける予定です。今年度は、できるならあと5、6名ほど収録し、妥当な結論を得たうえで、教材化にこぎつけたいと考えています。教材化については、紙媒体だけでなくWeb教材の可能性についても考えています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の性質上、個別に収録する必要があるため、実験に時間がかかることと、協力者を集めるのがオンラインのために難しいことが最大の理由です。同時に、メールによるやり取りも相手次第であり、返信に時間がかかることも研究が遅れていることの理由です。
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Strategy for Future Research Activity |
分析の方法論は確定していますので、調査協力者をできるだけ早く、必要な人数を確保することが最大の関心事です。
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Causes of Carryover |
本研究では、海外での収録も考えていましたが、コロナ感染拡大のため予定していた収録ができなくなったことが一番の理由です。現在の状況からも、今年度につきましても海外での収録は難しいのではと考えています。予定していた予算につきましては、研究成果のWeb教材化に充てることができたらと考えています。これにつきましては、文字の音声化などでソフトの開発をしている大学の支援を受けたいと思っています。
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