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2021 Fiscal Year Research-status Report

日本語母語話者の韓国語運用を阻害する漢語動詞のヴォイスの類型化と理論化の試み

Research Project

Project/Area Number 19K00775
Research InstitutionKanagawa University

Principal Investigator

尹 亭仁  神奈川大学, 国際日本学部, 教授 (70409879)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2024-03-31
Keywords韓国語 / 漢語動詞 / ヴォイス / 使役形 / 受身形 / 新聞の社説 / 小説 / 全数調査
Outline of Annual Research Achievements

当該年度は、「中央日報社説2016-20」での使用語彙の偏りを補うため『李箱文学賞作品集1986-2015』の短編小説約265本(30年間分、30冊)を対象に漢語ヴォイス表現の全数調査に取り掛かった。校正が終わっていない約20本分の校正をしながら、「VN-sikida」の調査から始めた。30年間のデータは下記のように3期に分けた。1986-2015年の30年間分の「VN-sikida」の延べ語数は1015語、異なり語数は368語である。
(1)第1期 1986年-1995年 延べ語数 453語 異なり語数 252語
(2)第2期 1996年-2005年 延べ語数 337語 異なり語数 162語
(3)第3期 2006年-2015年 延べ語数 225語 異なり語数 115語(529語<368語)
前年度の「中央日報社説2016-20」の調査で浮き彫りになった「VN-sikida」の使用状況の減少傾向が上記の3期に分けた調査でも通時的に見られた。この傾向を確かめるべく、現在、「中央日報社説2016-20」と『李箱文学賞作品集1986-2015』の両方で用法が見られた「VN-sikida」の派生関係(自動詞からか他動詞からか、自他両用動詞からかなど)の分類をしながら論文としてまとめる作業をしている。「VN-sikida」の使用状況が低いことは尹亭仁(2006)・尹亭仁(2019)で取り上げ、予想していたことであるが、『李箱文学賞作品集1986-2015』の調査結果は予想を下回る。「VN-sikida」の活用に「学習者視点」を取り入れるべく、「朝日新聞社説2019-21」の3年間の「VN-する」および「VN-させる」の調査も行ない、韓国語と比較の観点で提示できる準備ができている。また、日本の2つの小規模辞書から「VN-する」の語彙調査をし、「日本語基本漢語動詞1290」の資料集も作成した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

現在、『李箱文学賞作品集1986-2015』から「VN-sikida」の使用状況の調べが完了し、ここからも「中央日報社説2016-20」の調べで明らかになった「VN-sikida」の使用状況の減少が確認されたので、この傾向を中心に論文としてまとめる作業を進めている。「学習者視点」で日本語での使用状況をも取り上げるべく、「朝日新聞社説2019-21」の3年間の「VN-する」および「VN-させる」の調査と2つの小規模辞書から得られた「VN-する」で「日本語基本漢語動詞1290」の資料集の作成にも取り掛かったため予想以上に時間がかかった。
現在「VN-danghada」と「VN-badda」の使用状況を調べている。これが終わったら「VN-doida」の調査に取り掛かる予定である。
当該年度もアルバイトを依頼する予定であった韓国人留学生が新型コロナウイルスのため、入国できなかった。研究代表者1人で授業や大学業務の遂行の傍ら、30冊の小説のデータの分類作業・検索したデータの入力などを行なっていたが、分量的に研究代表者1人では限界があった。

Strategy for Future Research Activity

次年度は3種類の受身形の使用状況および派生関係を重点的に見ていく予定である。現在「VN-danghada」「VN-doida」は作業中である。特に「VN-doida」には受身形か可能形か、判断に迷うものも多いため、予想以上に時間がかかると見ている。
次年度も韓国からの留学生の入国が不明であるため、他の韓国語の研究者に「研究協力者」として参加してもらい、データ作業に加わってもらう予定である。

Causes of Carryover

新型コロナウイルスの感染状況が続いていたため、韓国への出張が叶わなかった。論文の執筆に必要な書籍は韓国から何冊か取り寄せたが、国立中央図書館とソウル大学図書館での最新の論文に関する情報は収集できなかった。また、学会発表や他の研究者との意見交換もできなかったため、研究の進展にもいささか影響が出ている。これらのため、次年度使用額が生じる結果となった。次年度は当該年度より状況が改善されそうなので、出張を含め、準備をしており、未使用額を充てる計画である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 日本語母語話者に韓国語の2字漢語動詞を体系的に提示するための取組みについて2022

    • Author(s)
      尹亭仁
    • Journal Title

      神奈川大学人文学研究所

      Volume: 67 Pages: 103-119

URL: 

Published: 2022-12-28  

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