2020 Fiscal Year Research-status Report
small talkを中心とした小学校英語科の授業改善と評価指標の開発・共有
Project/Area Number |
19K00785
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
田村 岳充 宇都宮大学, 共同教育学部, 助教 (40823323)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | small talk / 話すこと【やり取り】 / 話すこと【発表】 / パフォーマンステスト / 評価規準 / DVD配布による成果の還元 |
Outline of Annual Research Achievements |
那須烏山市の小学校英語科の授業改善を目指し,授業にsmall talkを取り入れるとともに,児童の「話すこと(やり取り)・(発表)」の能力の伸長を捉えるための評価指標の開発・共有を企図した研究を行っている。 研究第2年次である2020年度は,コロナ禍に見舞われ,学校訪問が叶わない状況に陥ったが,ビデオ会議システムを活用して小学校教員との連絡・相談を継続して行うことができた。また,授業の様子を録画したDVDを送付してもらい,授業改善に向けての指導・助言も行った。2021年2月に学校訪問・授業参観が再開し,実際の授業を参観して事後検討会も行ったが,small talkが豊かに展開され,児童が即興で英語を話す姿が数多く観察されるようになり,授業改善がしっかりと進んでいることが確認できた。小学校教員が自信を得て授業ができるようになってきている。 貸与したタブレット端末が有効に活用され,パフォーマンステストの際の児童の発話の様子や,授業中の発表の様子などを映像記録し,事後の評価に生かされている。このサイクルが確立し,指導と評価の一体化にもつながっている。また,評価規準の試案を作成して評価を行い,改善すべき点を洗い出して規準の改訂を行っており,精度の高まりが見られるようになってきている。 研究最終年次(2021年度)に向け,研究の成果の還元方法についても検討を行った。有るべき授業の姿を収めた授業映像と,パフォーマンステストの実施方法の具体や,児童の変容が分かる映像を納めたDVDを作成し,那須烏山市内の小学校を始め,栃木県教育委員会や総合教育センター,県内市町の教育委員会にも配布することを計画している。小学校教員のニーズに応えるべく,分かりやすく充実したDVDとなるようにしたい。また,研究の成果と課題については,学会発表や論文投稿につなげることも企図しており,今後順次進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第1年次の課題であったタブレット端末の活用が推進され,課題が克服できた。また,授業改善が進み,small talkの豊かな授業が展開され,小学校教員が安心して授業を行うことができるようになってきた。 評価規準の試案を作成して運用するとともに,改善を重ねて,よりよいものができあがってきつつある。また,それをどのように活用すればよいか,小学校教員がしっかり理解できるようにもなってきている。コロナ禍で学校訪問,授業観察ができない状況であっても,ビデオ会議システムを使ったり,授業を撮影してDVDを郵送してもらって視聴し,丹念にフィードバックをしたりする等の支援が生きている。 研究開始後にアナウンスされたGIGAスクール構想とその早期実施により,行政によるタブレット端末の配備や校内ネットワークの設備増強がなされ,研究計画の調整が必要となったが,市教委,学校(学校長,小学校教員)との協働のもと,進むべき方向性を柔軟に検討しながら研究を推進している。 成果の還元方法についても,進むべき方向が明確化され,実施にこぎつけることができる段階にまで進んできている。
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Strategy for Future Research Activity |
那須烏山市内の小学校,栃木県教育委員会,総合教育センター,県内市町教育委員会に配布するDVDの作成を行う。小学校教員にとって分かりやすい,実践化できる内容を収録することができるように細部の検討を行い,DVDの作成・配布を行っていく。 また,成果を学会発表や論文投稿でも共有できるように準備を進めていく。 小学校教員の支援については,日々の悩みなど,小さなことにも応えていけるよう,これまで構築してきた関係を維持・発展させ,ローカルなネットワークを大切に取り組んでいくことも忘れない。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で旅費・講師招聘のための謝金等を使うことができなかった。また,タブレット端末について,科研費申請時には予定されていなかったGIGAスクール構想とその前倒し執行によって学校に配布されることとなり,第2年次(2020年度)に購入し,貸与することとなっていた計画の見直しを急遽迫られることとなった。このような事情から計画の柔軟な見直し,変更が余儀なくされた。 研究第1年次に購入して配布したタブレット端末の有効活用を継続すると共に,そこで得られたノウハウを生かしつつ,研究の成果を還元する方法を十分検討し,最終年次にDVDの作成・配布を広く行うこととし,そちらに予算を充てることとしている。
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