2019 Fiscal Year Research-status Report
学習者のビデオ映像活用に基づいた韓国語プログラムの評価研究
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19K00842
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Research Institution | Saitama Women's Junior College |
Principal Investigator |
岡田 靖子 埼玉女子短期大学, その他部局等, 講師 (40364830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤海 崇文 流通経済大学, 社会学部, 助教 (60763349)
伊藤 武彦 和光大学, 現代人間学部, 教授 (60176344)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 韓国語学習 / 日本人学習者 / ビデオ研究 / 振り返り / スピーチ / 動機づけ / 円卓シネマ / 異文化理解 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の主な実績は、日本人学習者の韓国語スピーチ発表の映像データ収集と韓国語学習の動機づけや態度に関する質問紙調査の実施である。スピーチデータは16名から収集した。スピーチデータを活用した振り返りや質問紙への回答を分析することにより、2020年度と2021年度に研究分析結果を報告する予定である。 まず、春学期に1年生による韓国語スピーチが実施された。スピーチは3分以内で準備し、暗記したうえで臨むよう指示されていた。スピーチ発表はビデオ撮影され、秋学期にそのビデオを視聴した後、学生はオンラインによるビデオ観察に関する自由記述式アンケートに回答した。1年生と同様、2年生もスピーチを発表し、そのビデオと1年次に撮影されたビデオの両方を見比べた後、オンラインによる自由記述式アンケートに回答した。その結果、ビデオを使った振り返りは視覚的および聴覚的な情報を客観的に学習者に伝える傾向が明らかになった。 また、韓国語学習者の多くが韓国の大衆文化への関心が高いことをふまえて、韓国映画を活用した異文化理解教育に取り組んだ。この円卓シネマへの協力者5名に『国際市場で逢いましょう』(2014)を視聴してもらい、代表者(岡田)と分担者(伊藤)がファシリテーターとして加わり、映画の社会文化的および時代的背景に関するディスカッションを進めた。映画視聴前後の質問紙調査、討論後の自由記述式アンケート、討論の書き起こしテキストをデータとして収集した。 上記の研究を進めていくうちに、韓国語学習における学習者の動機づけや態度の志向性を検討する必要があると考えた。そこで、外国語学習に対する動機づけや態度について研究協力者44名に対して質問紙調査を実施した。一部の協力者にはインタビュー調査も実施し、韓国語学習の動機や動機づけの変化について調査することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度はスピーチ発表とビデオ撮影は春学期と秋学期に各1回実施する予定であったが、学校行事などの兼ね合いもあり、実施が春学期に1回のみとなった。 しかし、予定していなかった円卓シネマの調査や学習者の動機づけについての研究を実施したことから、日本人の韓国語学習者の特性を把握でき、効果的な韓国語学習への示唆を与えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
韓国語学習者のデータを収集していた勤務校を代表者が辞したため、2020年度はスピーチ発表やビデオを使った振り返りの実施継続が困難となった。そこで当初の計画を変更し、韓国語学習に対する動機づけや態度に関する検討を中心に進めることにし、2019年度に収集したデータの分析・考察を行い、論文を執筆していく予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度は、学習者からのデータ収集と分析作業を中心に進めていたため、当初予定していた学会発表にかかる費用が未使用となった。2020年度には、前年との残額を学会発表に充当させる予定である。
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