2020 Fiscal Year Research-status Report
第二言語学習者の屈折形態素習得と母語にない形式素性との関連性研究
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19K00883
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
栗田 さつき (小島さつき) 宮城大学, 基盤教育群, 准教授 (30713276)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 第二言語習得研究 / 屈折形態素習得 / 英語学習者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、臨界期後に第二言語を学習し始め、その後、上級レベルに達した英語学習者(日本語母語話者と中国語母語話者)の母語に存在しない形式素性の習得が可能かどうかを明らかにすることである。
2019年度は、文献調査から、日本語と中国語の統語構造の違いの分析とリサーチデザインの精緻化を行った。2020年度は、宮城大学の研究倫理審査の承認を受け、2019年度の調査を基に日本語母語話者と中国語母語話者の研究調査への参加被験者を募集し、その後、被験者の精査と各人の調査日などの予定を組み、2つの発話データを収集した。一つの目の発話タスクは、実験参加者に、「どのようにして英語を学習して上級レベルになったのか」「これまで楽しかった、うれしかった話」「尊敬している人」などについてインタビューを行った。2つ目のタスクは、DVDを視聴してもらい、その内容に関して、動画と同時にナレーションを付けてもらった。また、最後にDVDの内容はどのようなものであったのかを話してもらった。
分析方法に関しては、得られたデータを文字に起こし、その中から、形態素に関する間違いを探し、統計的分析する予定であった。しかし、本年度は、新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、直接、研究調査参加者と対面で、データを取ることができず、その代替え案を模索し、準備するために時間がかかり、十分な参加者を本年度中に集め、データを取ることができなかった。そのため、今後、継続して参加者を募集していく必要がある。しかし、オンラインでのデータ収集の可能性を確認し、後半には、数名の被験者からデータを取ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、発話タスクへの参加者を募集し、データを収集することが必須である。2020年度は、新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、直接、研究調査参加者と対面で、データを取ることができなくなったため、その代替え案を模索し、オンラインでの調整をすることに時間がかかった。そのため、予定していた参加者を本年度中に集めることができなかった。そのため、データの収集と分析を来年度同時に進めていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、これまでに得られたデータの文字起こしとその分析を行うと同時に、研究参加者から残りのデータを取る予定である。研究への参加者をさらに募集し、データを取る予定である。幸い、中国語母語話者に関しては、参加者の数が、目標の人数に達したため、来年度は、日本語母語話者の参加者をさらに募集する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、実際に研究参加者からデータを取ることが困難となり、データを収集するプロセスに遅れが生じたため、その参加者への謝金として使用するはずだった額が、次年度使用額となった。
2021年度に、研究参加者への謝金とデータ分析依頼費用として、使用する予定である。
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