2019 Fiscal Year Research-status Report
役割語分析で英語のアカデミックライティングスキル向上を目指す地域貢献型PBL
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19K00884
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
安田 尚子 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10461724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BLAKE John 会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (80635954)
Pyshkin Evgeny 会津大学, コンピュータ理工学部, 上級准教授 (50794088)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ライティング / 教材としての漫画 / プロジェクトベースラーニング / 役割語 / パラグラフライティング / 大学英語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、英語力と学習意欲の低い非英語専攻の大学生を対象に、漫画の言語分析を通じて協働型のプロジェクトベースラーニング(PBL)を実施し、大学の英語教育に斬新で効果的なアプローチを確立することを目指す。3年間の最終目標はPBLを通して外国人に地域情報を伝える日英漫画ガイドブックを作成することである。プロジェクトを通じて①文語体・口語体の区別と正確さ、②文法項目の正確さ、③文章の多様性、④表現の多様性の変化を測定する。併せて学習動機、共同作業、法令遵守等に対する質問調査を実施する。研究初年度にあたる令和元年度は外国人へのグルメ紹介の漫画作成に取り組んだ。 大学生1年生を被験者とし、ライティングの課題として各自のおすすめグルメ又は飲食店を選択し、パラグラフを作成した。その後パラグラフのセクションをコマに見立てて漫画を作成し、ナレーションにパラグラフのテキスト、漫画中の台詞は授業で扱った会話表現から相応しいものを中心に使用して作成した。漫画化することでパラグラフの構成と内容を視覚化し、ライティング力の向上に結びつけた。また、被験者はオンライン文法チェッカーを使用し、ピアレビューでお互いの作品をチェックした。ピアレビューでは特に文法表現や文章構成について意見交換を行った。 現在データの分析中であるが、履修後のアンケート調査によると漫画作成を通じたライティングは好評であった。しかしながら大学1年生はクラスルームテクノロジーに不慣れであるため、オンラインのコミッククリエーターやLMSのログイン方法を忘れる等の問題が発生し、一部の被験者が課題に取り組めないなどの問題が生じた。また、データ収集を行った授業に大学全体でのプロジェクトが導入されたため、授業時間内の活動時間が不足し駆け足状態になったことで、役割語の導入の代わりに教科書で扱った会話表現の使用と変更点が生じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
代表研究者が年度途中で大学を異動したため、当初予定していた研究計画と対象被験者を変更する必要が生じ、研究計画の見直しを行っている。また、本研究の前段階である研究(課題番号16K02884)が、大学のカリキュラム改定により1年間研究期間を延長した影響で、本研究にもやや遅れが生じている。さらに研究の一部を発表する予定であった国際学会が新型コロナウイルス の影響で全てキャンセルとなり、計画当初の予定より研究の進捗状況が遅れる結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は当初コンピュータ理工学を専攻する大学生を対象として計画され、データ収集は大学3、4年生を対象とした選択英語の授業で行う予定であった。しかし研究代表者の異動と現在の勤務大学のカリキュラムの関係で、被験者を文系の大学生と医療系の大学生に変更する必要が生じた。対象被験者を変更することで、最終目的である「外国人観光客、及び住民への情報提供を目的とした日英漫画ガイドブック作成を通じたライティング指導」に大きな影響はない。しかしながら対象となる学生は大学1、2年生が中心となるため、オンラインツール等の導入に混乱が生じないために、きめ細やかに指導する等の対策が必要になる。 さらに、現在流行中の新型コロナウイルス の関係で授業がオンラインとなり、対面式で指導ができないため、今後オンラインでの授業が継続した場合の対策も必要になる。プリントなどを利用して詳しく説明し、オンライン会議ツールなどを用いて研究を進める必要がある。
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Causes of Carryover |
年度後半(令和2年1ー3月)に参加予定だったワークショップ、学会が新型コロナウイルス の影響で中止、または参加を自粛したため、旅費等に未使用が生じた。
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Research Products
(1 results)