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2019 Fiscal Year Research-status Report

Soft Power Strategy of the Byzantine Empire

Research Project

Project/Area Number 19K01053
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

根津 由喜夫  金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (50202247)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywordsビザンツ / 南イタリア / アドリア海
Outline of Annual Research Achievements

2019年度は 当初、イタリア(主にサルディニアとヴェネツィア、さらに可能であれば南イタリアのカラブリア地方)およびクロアチア(イストラ半島とダルマティア地方)に関する調査を行う予定であったが、日程の都合で一部を変更し、主に南イタリア(カラブリア、アプリア、カンパニア)およびヴェネツィア周辺域(ラグーン島嶼部とアクイレイア、グラード)において調査旅行を実施した。
2019年夏に実施した調査においては、最初にシチリア島パレルモにおいてノルマン王宮とそれに併設されたパラティーナ礼拝堂の内部調査、ならびに以前の訪問時には修復中で内部を検分できなかったマルトラーナ教会の調査を重点的に行った。とくにマルトラーナでは、ノルマン・シチリア王ロジェール2世とその重臣アンティオキアのゲオルギオスのモザイク像を近くから実見できたことは収穫だった。
次いで南イタリアでは、カラブリア地域に関しては、ロッサーノの聖堂と付属博物館やスティロのカテドラル(カトリカ教会)、聖堂付属博物館などを訪れることができた。また、ターラント、マテーラ、オトラント、ビトント、バーリ、カノーサ・ディ・プーリャ、トラーニなどバシリカータからプーリア地方にかけての町を駆け足で巡り、主にロマネスク時代の聖堂・修道院を見て回ることができたのは大きな成果と言えよう。ナポリ近郊のサンタンジェロ・イン・フォルミス教会(11世紀)を訪れることができたのも収穫である。
最後は一気にヴェネツィアに出て、海洋博物館および聖マルコ聖堂外周のビザンツ由来の彫像の調査に当たったほか、ムラーノ・トルチェッロ両島の聖堂、およびラグーン北東部のアクイレイア、グラード(いずれも古代末期~中世初期の歴史遺産が重要)への調査活動を実施した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2019年に実施した調査旅行は、一部、調査対象に変更があり、当初、予定していたサルディニア島やクロアチア(イストラ半島とダルマティア地方)については調査を実施することができなかったが、その代わりに南イタリアのプーリア、カンパニア地方の中世初頭~12世紀頃までの史蹟調査はかなり重点的に実施することができた。当初、予定に含まれなかったビトントの大聖堂やナポリ近郊のサンタンジェロ・イン・フォルミス教会、ナポリ大聖堂洗礼堂の初期キリスト教時代のモザイクについても調査できたことは重要である。そうした点において全体としては研究活動は、おおむね順調に進展していると評価することは可能であろう。

Strategy for Future Research Activity

2020年度は、北欧3国(ノルウェー、スウェーデン、デンマーク)とビザンツ帝国の相互関係の解明に取り組むことを計画している。具体的には、サガ作品のなかに言及されるビザンツ関係の情報を精査することに加え、北欧各地の聖堂や修道院の宝物庫に現存するビザンツに由来する美術工芸品(象牙細工、宝飾品、聖具類、絹織物など)を詳しく調査し、それらの年代や地域的分布状況を解明したいと考えている。それらの年代を画定し、それらがなぜ当該の施設に収蔵されることになったのか、その伝来の経緯を説き明かすことができれば、当時のビザンツ・北欧関係の実像解明に貢献することができるはずである。
ただし、現在世界的に流行中の新型コロナウィルスの問題が夏までに解決しない場合には、残念ながらこの時期の海外調査旅行は断念せざるをえない。その場合の代替策については、現在、思案中であるが、さしあたり、現時点までに収集し得た文献の読破と整理に充当されることは間違いないところであろう。

Causes of Carryover

(理由)海外に発注した文献が一部、年度内に届かなかったため。また年度末に予定していた国内出張が、新型コロナウィルスの流行に伴って中止されたため、当該経費が執行されなかったため。

(使用計画)繰り越し分は本年度の助成金と合わせ、夏期に予定されている海外への調査旅行に重点的に充当することを計画している。またそれに付随するデジタル機器と周辺機器、消耗品の購入にも使用される予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Book (1 results)

  • [Book] 聖デメトリオスは我らとともにあり2020

    • Author(s)
      根津 由喜夫
    • Total Pages
      220
    • Publisher
      山川出版社
    • ISBN
      4634672480

URL: 

Published: 2021-01-27  

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