• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2019 Fiscal Year Research-status Report

都市の選択:15世紀スイスの地域の権力構造とハプスブルク家の影響力

Research Project

Project/Area Number 19K01075
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

田中 俊之  金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (00303248)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywordsラインフェルデン / ハプスブルク家 / スイス盟約者団 / バーゼル / ベルン / ソロトゥルン
Outline of Annual Research Achievements

13世紀から16世紀初頭にかけてのスイス盟約者団の形成過程とハプスブルク家との関係については近年さまざまな見直しが試みられ、重要な研究成果も現れている。これまでハプスブルク家はスイス盟約者団形成にとっては仇敵であり阻害要因であるとしか捉えられてこなかったが、時期と地域によっては一概にそのように断定することはできないことが明らかにされてきたのである。
本研究でも、先行研究の記述にあった、スイス北西部の都市ラインフェルデンの動向、すなわち1464年にハプスブルク家の保護を求めて臣従誓約したことに着目し、そのことの解釈として、ラインフェルデン市民がベルンをはじめとする「スイス盟約者団」との共生を不可能と見たこと、またハプスブルク家との結びつきこそ最善の解決法であるとする「われわれ意識」を強化させたのだとする見解を重視し、まずはその根拠となる史料を見つけるべく、夏季休暇を利用してスイスのアーラウ公文書館を訪問し、史料調査を行った。
しかし上記問題点にアクセスできる史料に遭遇できなかったため、先行研究の記述者(と思われる)シーバー=レーマン氏にメールで問いかけたが返事がなく、この問題についてはそれ以上踏み込むことができず、今年度はここで停滞した。
そこで次年度は、この停滞を打破することをめざし、引き続きシーバー=レーマン氏に連絡を取ることによって学術的コミュニケーションを何とか結びたい一方で、それが無理な場合には、都市ラインフェルデンを取り巻く周辺都市の動向からスイス盟約者団との関係、より具体的にはラインフェルデンが忌避したベルンとの関係、もしくはハプスブルク家との関係を探求することから問題解決に近づけるよう努めたい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

先行研究での記述:1464年にスイス北西部の都市ラインフェルデンがハプスブルク家の保護を求めて臣従誓約したのは、①ラインフェルデン市民はベルンをはじめとする「スイス盟約者団」との共生は不可能である、②ハプスブルク家との結びつきこそ最善の解決法である、とする「われわれ意識」を強化させたからだとする記述について、執筆者と思われるシーバー=レーマン氏に史料的根拠を問おうと連絡を試みたが返事はなく、研究を前進させる第一歩が保留状態となったから。

Strategy for Future Research Activity

上記シーバー=レーマン氏との学術的コミュニケーションが今後の研究を前進させるうえでの重要な第一歩と考えているが、そこで停滞を余儀なくされる場合には、周辺都市側からのラインフェルデンへのアプローチ、例えばバーゼルやソロトゥルン等の都市の動向から状況を把握することに努めたい。

Causes of Carryover

購入予定にしていた大部の史料『エギディウス・チューディの年代記』が入手困難で手に入らなかったことがおもな理由である。次年度は引き続き入手の可能性を探るとともに、不可能な場合には、史料調査を重ねて別の史料の入手の可能性を探る。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 敵はハプスブルクか? ―スイス盟約者団形成初期史への視角―2020

    • Author(s)
      田中俊之
    • Organizer
      金沢大学ボトムアップ型研究課題成果報告会

URL: 

Published: 2021-01-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi