2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K01200
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Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
辻 貴志 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, アジア太平洋無形文化遺産研究センター, アソシエイトフェロー (30507108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 勲 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (50572814)
稲岡 司 佐賀大学, 農学部, 名誉教授 (60176386) [Withdrawn]
藤村 美穂 佐賀大学, 農学部, 教授 (60301355)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 水田漁撈 / 先住民 / 社会環境変化 / 生態文化 / 生物利用 / 生業複合 / ラオス / 東南アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終年度に、ようやく研究分担者とともに、ラオス国内でのフィールドワークを実施することができた。ただし、カウンターパートの都合により、調査地域を同国南部のアッタプー県から西北部のシェンクワン県とフーパン県に変更せざるを得なかった。これらの県では、アッタプー県に特有の水田の中に生け簀を設けて魚を畜養する特殊な水田漁撈については確認できないが、水田での一般的な漁撈については確認することができた。2023年8月8日から2023年8月19日にかけて、シェンクワン県とフーパン県において、水田漁撈をはじめとする地域の生態文化に関する調査を行った。そして、水田漁撈が多様な生業複合の中で行われていることが確認できた。漁撈だけではなく、狩猟採集、農業、牧畜にも視点を広げることで、トータルに生態文化を捉える必要性が明らかとなった。本研究は、水田漁撈をめぐるラオスの社会環境変化に関するものであり、同国で中国やベトナムにより急激に進む自然開発に伴い、その存続が危ぶまれる緊急性を有する課題である。よって、最終年度以降も同課題についてより集中的かつ総合的な調査研究を展開していく予定である。
本研究の成果の内容の一部については、2023年7月6日から8月8日にかけて、国立民族学博物館のコレクション展示「ハンターのみた地球」に協力したほか、口頭発表および論文として公開することができた。また、最終年度に実施したフィールドワークの成果についても、口頭発表および論文として続けて公開していく。
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Research Products
(4 results)