2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K01204
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Research Institution | Edogawa University |
Principal Investigator |
阿南 透 江戸川大学, 社会学部, 教授 (50255204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 忠賢 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (00213439)
有本 尚央 甲南女子大学, 人間科学部, 准教授 (70734333)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 祭礼 / 祝祭性 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、当初の予定通り、南砺市福野の「福野夜高祭」、東京都府中市の「くらやみ祭り」、砺波市の「となみ夜高まつり」、秋田県仙北市角館の「角館の祭り」、北海道札幌市の「YOSAKOIソーラン祭り」、秋田県秋田市の「土崎神明社の曳山まつり」、青森県八戸市の「八戸三社大祭」、青森県青森市の「青森ねぶた祭」、大阪府岸和田市の「岸和田のだんじり」の個別調査を調査を行った。これらの調査を通じて、基礎的なデータを収集することができた。 次に6月29日と10月14日に研究会を開催し、メンバーが調査報告を行い、調査結果を集計し比較した。また研究会にはゲストスピーカーを招き、祝祭性に関する学術的な知見を得た。さらに、山鉾屋台研究会など祭礼をテーマとした研究会に出席し、関連分野の知見を得た。これにより祝祭性をめぐる論点と、次年度以降の課題を明確にした。すなわち、単一の祭礼だけではなく、複数の祭礼が相互に関係するような「祭礼文化圏」的な視点が重要であること、社会学分野では「文化遺産の社会学」や「歴史的環境の社会学」の知見と祭礼研究の比較検討が必要であること、民俗学・文化人類学はもちろんのこと、隣接領域における祭礼研究の理論的蓄積に関する比較研究を進めること、以上3点を次年度の課題として整理することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定した調査をすべて順調に実施することができた。また2回の研究会を予定通り開催するとともに、民俗学、社会学、文化人類学など関連分野の研究会への出席により、祭礼における「祝祭性」を検討する上で多くの知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の研究によって明確になったのは以下の諸点。1)単一の祭礼だけではなく、複数の祭礼が相互に関係するような「祭礼文化圏」的な視点の重要性。2)近年の社会学分野で注目されている「文化遺産の社会学」や「歴史的環境の社会学」の知見と祭礼研究の比較検討、3)民俗学・社会学・文化人類学などの隣接領域における祭礼研究の理論的蓄積に関する比較研究。 なお、新型コロナウイルスの影響による祭礼の中止が相次いでいるため、令和2年度の研究においては、中止を決定した過程をあわせて調査する予定である。このことで、祭礼における祝祭性の意味を、「自粛」「中止」という祝祭とは反対の観点から照射して明らかにしていきたい。
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Causes of Carryover |
当初、2月もしくは3月にさらなる調査と研究会を予定していたが、新型コロナウイルスの蔓延を警戒して、開催を見送った。その分の調査と研究会は、令和2年度中に新型コロナウイルスの流行が収束すれば、その時点での実施を考えている。ただし、元々4年間をかけて実施する計画であるため、実施時期は現時点では未定である。
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