2023 Fiscal Year Annual Research Report
基本権実現の他主体性と多層性--基本権保障の態様の多角的研究
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19K01282
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
柴田 尭史 追手門学院大学, 法学部, 講師 (30779525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 敦裕 関西学院大学, 司法研究科, 教授 (00448820)
篠原 永明 甲南大学, 法学部, 准教授 (70734648)
高田 倫子 大阪公立大学, 大学院法学研究科, 准教授 (80721042)
原島 啓之 大阪大学, 大学院法学研究科, 招へい研究員 (30883508)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 基本権論 / 内容形成 / 裁判官法 / 規整行政 / 国家による情報提供 / 民間法 / 首尾一貫性 / 防御権 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の本来の最終年度は、2021年度であったが、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大とロシアによるウクライナ侵攻によって、ドイツ人研究者の招聘、および代表者と分担者のドイツにおける研究調査が実施できていなかったため、2回延長した。そのため、2023年度が最終年度となった。1度目の延長の2022年度に日本国内で遂行可能な研究については、おおむね進捗していた。 最終年度である2023年度は、9月にハンブルクにあるブツェリウス・ロースクールのクリスティアン・ブムケ教授を招聘した。9月7日に、ブムケ教授にこれまで進めてきた研究、基本権の実現についてのドイツにおける議論の状況、および今後の展望などについて質問する機会を設けた。また。8日には、「ドイツ国法学における憲法理論と憲法ドグマーティクの関係(Die Beziehungen zwischen Verfassungstheorie und Verfassungsdogmatik in der deutschen Staatsrechtslehre)」をテーマに講演会を開催し、学内外の多くの研究者の出席があった。講演テーマは、本研究のメタ理論に位置づけられるものである。その他、ブムケ教授に多くの質問をする機会が得られた。 それに対して、代表者と分担者のドイツにおける研究調査は実現できなかった。しかし、それに代えて、本研究の中で参照し、多くの知見が得られたブムケ教授の基本権論のうち本研究に関連する論文を翻訳し、『憲法・行政法研究』として風行社から出版した。本書は、基本権の実現という本研究に強く関連する「内容形成論」を中心に据え、戦後ドイツの基本権論を、歴史的に振り返り、また判例・実務をドグマーティクに基づいて(批判的に)検討する内容となっている。
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