2021 Fiscal Year Research-status Report
A Legal Study on the Multilayer Structure of the Right to Enjoy One's Own Culture
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19K01433
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Research Institution | Keiwa College |
Principal Investigator |
藤本 晃嗣 敬和学園大学, 人文学部, 准教授 (90379157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 民徒 関西学院大学, 法学部, 教授 (10401019)
桐山 孝信 大阪市立大学, 大学院法学研究科, 教授 (30214919)
西片 聡哉 京都先端科学大学, 経済経営学部, 教授 (60434651)
谷口 洋幸 青山学院大学, 法学部, 教授 (90468843)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 文化享有権 / 少数者問題 / 先住民族 / 性的マイノリティ / 権利の集団性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国際人権法上の少数者保護のための文化享有権の検討と、その成果の国内社会への還元を主眼としている。文化享有権は、先住民族、外国人労働者といった個々の少数者集団に認められる権利であり、この権利の全体像を明らかにするためには、これら個別の少数者問題の検討と並行して、それらの問題が統合できるような理論の構築が不可欠となる。 個別の少数者問題としては、ノルウェーにおける先住民族であるサーミ民族の居住地に建設された風力発電所をめぐる少数者問題が研究会で検討された。他に個別の問題として、性的マイノリティ問題や、ヨーロッパ地域での人権保障体制下での少数者保護の問題の検討が進められた。理論面では、本研究の日本での先行研究の担い手となる北村泰三中央大学教授に、文化多様性の実現のための包括的アプローチについて、少数者問題と関連付けて研究報告を頂けた。その他、自由権規約1条(人民の自決権)と27条(少数者の文化享有権保障)の関係性についての研究なども進められた。 2021年度の研究実施計画では当初、2回の研究会実施としていたが、実際は次の通り3回の実施をオンラインですることができ、本科研に参加する研究者間で研究成果の共有を図ることができた。 ・2021年9月18日14時~16時:北村泰三先生(中央大学)「国際人権法における文化多様性:疎外された人々に対する包括的なアプローチに向けて」 ・2021年12月26日14時~16時:小坂田裕子先生(中京大学)「自由権規約における自決権とマイノリティに属する者の権利の関係の変化:先住民族の権利に焦点をあてて」 ・2022年3月17日14時~16時:小坂田裕子先生(同上)「風力発電所によるサーミのトナカイ飼育への影響に関するノルウェー最高裁判決(2021年10月11日)について」
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の影響で、オンラインによる研究会開催(3回)を続けざるを得なかったが、本科研メンバー間での研鑽を進めることができた。その一つの成果として、2022年度国際法学会のパネル報告(公募)に、本科研プロジェクトが採用された。本科研メンバーから5名が、研究成果の報告を行う機会を与えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年9月に国際法学会でパネル報告を行う機会が与えられたので、これの成功を目指すことを当面の目標とする。研究会は前年度以上の回数で実施したい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、COVID-19の影響で、対面での研究会がすべてZoomによるリモート会議となり、海外出張もできず、旅費の支出が抑えられたからである。 使用計画は、研究会の回数を増やすと同時に、ゲストスピーカーによる研究報告を実施する予定である。
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Research Products
(15 results)