2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K01454
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
河崎 健 上智大学, 外国語学部, 教授 (20286751)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ドイツ / 政党 / 連邦議会 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度に滞在したドイツで収集した資料やインタビューを基に、ドイツの全16の州の州閣僚の政治キャリアに関するデータの構築を行った。データは、議員ハンドブック、連邦参議院ハンドブックの他、インターネットで主に州議会・州政府のアーカイブで収集をした。コロナ禍のため、渡独による関係者インタビューは実行することはできなかったが、ベルリン・フンボルト大学での研究休暇時に知己のあった研究者と研究内容についての懇談や相談を行うことができた。その結果、以前の研究では得られなかった貴重な知己を得ることはできたが、体系的にまとめる上でのデータと分析が不足していることが認識されたため、来年度も作業を継続する。 この作業と並行して、ドイツの政党の歴史的変遷についての文献研究を行った。前年度までに二大政党に関する論文は発表しており、今年度は連合90/緑の党に加えて、左派党といった小政党に関する文献を収集、読解を行った。 加えて、2020年度には、2020年度日本選挙学会総会・研究会で発表をする予定であった(5月17日「政党部会:ヨーロッパ諸国における政党政治の変容 」)。同学会は、コロナ禍のため、開催が中止されたが、各発表用原稿は、同学会ホームページにアップされている(研究者の発表原稿のタイトルは、「既成政党の政権獲得・維持戦略の動向―ドイツの場合―」 )。 さらに、ドイツ政治の最新動向等に関する記事を何点か商業誌で発表した。ドイツやヨーロッパ政治の現状に関して研究会やシンクタンクの年次大会での講演で発表する機会を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度には、2019年度中に収集できなかった資料やインタビューをドイツで実施する予定であった。しかし一連のコロナ禍により、訪独がかなわなかったため、この点は断念せざるをえなかった。この点で、やや遅れているという、判断をしたが、上記のデータベース構築や、関連論文の執筆などでは、ある程度の成果を上げることができたため、深刻な遅れとは認識していない。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度も、現時点では訪独は困難な状況である。補いたい点はあるものの、データベース構築はほぼ終了したことから、データの分析を行い、執筆活動を開始する予定である。具体的には、研究者がこれまで行ってきたドイツの政治家リクルートメント研究について、(1)データのアップデート、(2)理論面での最新動向の追加、(3)連邦参議院議員(州閣僚)の章の追加、(4)本研究のテーマである拒否権回避の動向を追加、することを想定している。
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Causes of Carryover |
2020年度用に配分されていた海外渡航費(ドイツで図書館での文献渉猟、関係者インタビューのため)が、コロナ禍のためにほとんど使用できなかった。コロナの収束が見えず、ドイツへの渡航が現時点では不可能であるため、渡航による使用計画は目下のところは立てられないが、可能であれば、今年度末での渡独をして、目的を遂行したい。
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Research Products
(5 results)