2019 Fiscal Year Research-status Report
開発・安全保障の連結ー人の移動をめぐるEU対外政策分析への応用
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19K01500
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
増島 建 神戸大学, 法学研究科, 教授 (30286017)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 開発 / 安全保障 / 欧州連合(EU) / 人の移動 / ヨーロッパ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「開発・安全保障の連結ー人の移動をめぐるEU対外政策分析への応用」と題して、近年みられる開発と安全保障の間の相互関連の増大の実態と問題点を、欧州連合(EU)による域外からの難民・移民に関する政策の分析を通して明らかにしようとするものである。研究初年度の2019年度においては、ヨーロッパへの海外出張調査を実施するとともに、人の移動に関する理論・比較研究、EU対外政策、開発協力政策に関する文献による研究を進めた。海外出張調査では、フランス外務省、欧州委員会で聞き取り調査を行い、資料収集を行なった。またヨーロッパ研究者との研究交流を積極的に実施し、EUによる人の移動をめぐる対外政策に関して意見交換及び資料収集を行なった。海外研究協力者との研究協力体制については、相互訪問の日程を決めていたが、諸般の事情から当初の計画を実施することができなかった。初年度の研究による成果としては、EUによる安全保障政策、開発協力政策において人の移動を対象とした連携が、政策決定過程・政策内容の両面において進行していることが具体的に確認できた。特に欧州委員会とメンバー国の間での駆け引きが、EUの警察・刑事司法協力分野において新たな形で展開されていることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は研究初年度であり、予定よりも短期間ではあったがヨーロッパ出張調査を実施することができた。しかし海外の研究協力者との間で日程が合わず、当初の計画通りに研究協力体制の整備を行うことが十分できなかった。研究代表者のサバティカルに伴う教育業務の再編、海外における在外研究によって必ずしも十分な時間を本研究に確保することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度については、初年度に実施できなかった海外の研究協力者との間での研究協力体制の構築を行うとともに、2度目の海外調査を実施したいと考えている。しかしこれらの実施のために必要な海外出張については、引き続き世界的な感染症の拡大の重大なリスクが存在するため、実施が困難になることも予想される。その場合には文献による研究を実施するとともに、メール等により海外研究協力者との連絡を緊密にとることを代替的方策として考えている。
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Causes of Carryover |
研究代表者のサバティカルに伴う教育負担の再編や在外研究によって、当初の計画通りの海外出張調査ができなかった。特に海外研究協力者との間での研究打ち合わせが、日程が合わなかったため、実施することができなかった。2020年度においては、海外研究協力者との研究打ち合わせを実施するとともに、初年度にすべてを実施することができなかった海外出張調査を本年度分とあわせて実施することを考えている。
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