2022 Fiscal Year Annual Research Report
開発・安全保障の連結ー人の移動をめぐるEU対外政策分析への応用
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19K01500
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
増島 建 神戸大学, 法学研究科, 教授 (30286017)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 人の移動 / 開発 / 安全保障 / 欧州連合 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍のために海外での予定されていた調査を最終年まで十分に進めることができなかった穴を埋めるべく、2022年には満を持して海外調査を行うことができた。2022年9月にパリ、ブリュッセル、ルクセンブルクに出張し、当初の想定以上に数多くのヒアリングを政策担当者やNGO関係者に対して行うとともに、研究機関や現地日本大使館関係者との間で意見交換を実施することができた。具体的には、まずフランスの政策に関して、フランス外務省およびフランス内務省において、フランスの移民・難民受け入れ政策について、担当課長、担当大使及び担当官から聞き取り調査を行うことができた。さらに難民、移民対策の観点から行われている、フランスの外交・開発協力政策についてフランス外務省およびフランス開発公庫担当者から聞き取り調査を実施することができた。さらにフランスの人道援助NGO関係者からもヒアリングを実施した。また在フランス日本大使館において、ミーティングを実施して、研究成果に関して意見交換を行った。ブリュッセルでは、危機対応に関する欧州委員会開発協力局担当者(テーマ担当及び地域担当)4名から聞き取り調査を実施するとともに意見交換を実施した。ルクセンブルクでは、研究パートナーであるルクセンブルク大学のハーラン・コフ教授とのあいだで数回にわたり研究に関する意見交換を実施するとともに、欧州投資銀行を訪問し、EU対外関係において重要性を増している同銀行の役割についてヒアリング調査を実施することができた。これらの現地調査によって、EU(欧州委員会およびフランス)における人の移動に関する対応は、受入政策および開発協力政策の双方において治安・安全保障上の要請と「誰も取り残さない」を掲げるSDGsという開発目標の間での緊張関係が関係省庁間だけでなく、政策担当者においても日常的にみられることがわかった。
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Research Products
(3 results)