2021 Fiscal Year Research-status Report
New Perspectives on Hybridity in Peacebuilding
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19K01524
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
西川 由紀子 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (70584936)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ミャンマー / 東ティモール / 平和 / ハイブリッド |
Outline of Annual Research Achievements |
研究3年目では、前年度までに行ってきた理論的考察に対し、本研究の対象となる事例(ミャンマー、東ティモール)における実情とどのような祖語があるのか、また既存研究で明らかにされているハイブリッドとは両国において何を指し、そのような状況のことであるかについて聞き取り調査を行った。昨年度から引き続き新型肺炎により現地調査の実施ができなかったことから、オンラインでの聞き取り調査に変更した。また、日本に滞在中の東ティモールの行政官4名からも聞き取り調査に協力してもらい、2つの事例の検討事項について具体的な情報が得られた。ミャンマーについては、現地の状況が2021年のクーデター以降、不安定であることから、最終年においても聞き取り調査を実施することは難しいと予想される。このことから、本年度の聞き取り調査では、オンラインであったが、現地のネットワークを紹介してもらい、多様なアクターに聞き取り調査を行った。 ミャンマーに関する聞き取り調査では、現地に土着の平和のアプローチと、援助機関や外部アクターによるかかわりによってもたらされた平和概念が、いかに現地において取り扱われているのか、市民の認識において、これらは調和的であるのか、対立的であるのかについて多様な意見がみられた。 東ティモールについては、政治的に安定していることもあり、平和に関する関心から開発問題に関する関心へと移行したこと、現地の土着の制度やシステムと外部アクターによってもたらされた新たな制度やシステムが、時には対立しつつも現地化したものもあることなどが指摘され、本研究の核心に関連する状況が明らかになった。 本年度の研究により、事例研究によって得る予定であった現地の情報が一定程度得られた。他方、実質的な状況を現場で体感し、観察することができないことから、本研究の申請時に予定していたほどの成果は得られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型肺炎の状況により、現地調査が行えなかったが、オンラインによる聞き取り調査および日本に滞在中の現地関係者から聞き取り調査を行うことができた。このことから、研究全体の進捗としては、予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、本研究の最終年度にあたることから、これまでの研究の成果を国際会議や国内会議で報告し、広く本研究の成果を公表する予定である。また論文及び著書にして成果発表も行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度実施する予定であった現地調査をオンラインで行ったため、予算余剰が生じた。研究最終年では、国際会議や国内会議に出席する予定もあるため、未使用分を含めた予算計画を行っている。
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Research Products
(3 results)