2019 Fiscal Year Research-status Report
Strong Effects of Weak Norms: Civilian Control in Japan and Germany
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19K01527
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
阿部 悠貴 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(法), 准教授 (70588665)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 国際関係論 / 規範 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は国際関係論の規範研究、および日本とドイツのシビリアン・コントロールに関する文献を広く渉猟してきた。この間、(開始時期は本研究より若干先立つが)この研究の着想を得る機会となった“Constitutional Reform and Strong Diplomacy: An Analysis of Changing Arguments in Japanese Newspapers”という論文が、Carmen Schmidt and Ralf Kleinfeld, The Crisis of Democracy? Chances, Risks and Challenges in Japan (Asia) and Germany (Europe), Cambridge Scholars Publishing, 2020の一章として出版された。 またドイツ外交史を考察する過程において、書評「『ドイツの核保有問題─敗戦からNPT 加盟,脱原子力まで』[津崎直人 著](昭和堂,2019 年)」を執筆し、『ドイツ研究』にて近日公刊される予定である。 加えて、関西外語大学の先生方をはじめとする研究者との出版企画に参加し、本研究を通じて得らえた知見をもとに、4つの章の執筆を担当した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は国際関係論の中でも規範に関する研究について文献を広く渉猟してきた。規範の影響に注目した初期の研究から、今日議論される規範が引き起こす論争、対立まで広く文献を講読し、可能な限り多くの文献を網羅することができた。その成果をまとめ、研究ノートとして発表する予定である。 またフィールド調査の準備のために、改めて本研究の概要を執筆することになったが、その際に気が付いた論理的な問題、欠陥を検討し、修正することができたのは一つの成果であった。この過程を通じ、理論的な狙いをより明確にすることができたと考えている。今後はここで執筆した研究の概要をもとに多くの人からの助言、コメントをもらえるよう働きかけていきたい。 可能ならば日本、ドイツのシビリアン・コントロールの事例研究まで進みたかったが、十分な時間を確保できなかった。この点は次年度集中して研究していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の夏季にドイツでのフィールド調査を検討していたが、新型コロナウィルスの影響のため、予定を再検討せざるを得ない状況になっている。同様の理由から本務校の授業開始が遅れ、前期の授業が8月まで延長する事情もあり、フィールド調査を冬季に延期することも考えている。様々な影響を検討しつつ、総合的に判断したい。 また上述したように、国際関係論における規範研究のレビューを可能な限り早くに研究ノートとしてまとめる予定である。より包括的な内容になるよう、文献の収集作業も引き続き行っていきたい。 加えて今年度は本研究の事例研究の一つとして、日本とドイツの再軍備過程において「反軍事主義」規範がどのように形成されていったのかという点について検討していく予定である。時間の制約もあるが研究論文として公表できるよう努力していく。
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Causes of Carryover |
パソコンの故障という不測の事態が発生し、それに対応したため。
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Research Products
(2 results)