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2023 Fiscal Year Research-status Report

排除可能な公共財の供給問題に関するメカニズムデザインの研究

Research Project

Project/Area Number 19K01553
Research InstitutionOsaka University of Economics

Principal Investigator

橋本 和彦  大阪経済大学, 経済学部, 准教授 (30649182)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2025-03-31
Keywords耐戦略性 / コブ・ダグラス型効用関数 / グローブスメカニズム
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、非準線形効用関数の環境におけるメカニズムの分析を行った。Groves (1973)やClarke (1971)に代表されるように、メカニズム・デザインの分野では、準線形の効用関数が仮定されることがほとんどである。しかし、一般均衡理論などの分野では、準線形効用関数の仮定は非常に強いと考えられ、その仮定のもとで得られた結果は限定的なものとみなされる。つまり、非準線形効用関数の環境でのメカニズムの分析が重要となる。
本研究では、非準線形の効用関数として、コブ・ダグラス型の効用関数を導入した。コブ・ダグラス型効用関数は、変形すると対数線形の効用関数として表現でき、準線形効用関数との類似性もあり、Groves (1973)やClarke (1971)などの研究結果との対比が可能と考えた。さらに、通常は離散的で有限な選択肢を考えることが多いが、コブ・ダグラス型効用関数では連続無限な選択肢を考えることが可能となる。
コブ・ダグラス型効用関数の環境でのメカニズムとして、対数線形を利用したGrovesタイプのメカニズムをデザインした。つまり、対数関数の部分を通常の価値関数と見なし、その最大値を実現する選択肢を選択し、それに応じた支払いスキームを組み合わせるのである。その設計思想から耐戦略性を満たすことが示される。
設計したメカニズムの一意性を示すために、準線形環境でMyersonの補題として知られる耐戦略的な支払いスキームに関する命題に対応するコブ・ダグラム型環境での補題を証明した。これにより、二人モデルでは、初期状態に関する公理を課すことによって、コブ・ダグラム型環境でのClarkeタイプのメカニズムの特徴付けが可能となった。
以上の結果は、財の性質には依存せず、一般的な人数への拡張も可能であると考えている。また、より一般的なCES型効用関数への拡張も可能であると考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

新しい選好環境でのメカニズムの設計に成功し、一意性の証明の道筋もついた。

Strategy for Future Research Activity

設計したメカニズムの一意性を一般的環境で証明し、論文にまとめる予定である。

Causes of Carryover

(理由)参加予定の研究会・学会がキャンセルまたはオンライン開催になったため、参加費・出張費が不要になった。
(使用計画)現在執筆中・投稿準備中の論文の英文校正費用として用いる。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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