排除可能な公共財の供給問題に関するメカニズムデザインの研究
Project/Area Number |
19K01553
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07010:Economic theory-related
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
橋本 和彦 大阪経済大学, 経済学部, 講師 (30649182)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2020: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2019: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | 耐戦略性 / メカニズム・デザイン / 効率性 / 利他性 / 公平性 / 排除可能な公共財 / メカニズム / メカニズムデザイン / 社会選択理論 / 公共財 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、排除可能な公共財の供給問題に関する研究である。現実社会には、原理的には排除可能であっても、何らかの理由から、利用者を排除しないことがある。その理由を、メカニズムデザインの手法を用いて明らかにすることが、本研究の目的である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、利他性を組み込んだモデルにおけるメカニズムの分析を行った。ゲーム理論に関する多くの経済実験により、人々は利他的に行動することが報告されている。その代表的な研究がFehr & Schmidt (1999, The Quarterly Journal of Economics)である。Fehr & Schmidt (1999) では、実験と整合的な利他的効用関数が定式化されている。 本研究は、それを用いた制度設計分析の先駆けであると位置づけられる。一般的に、メカニズムに参加する個々人は、所得などの初期状態が大きく違う。そして、所得再分配や公共財の費用負担を通じて、それらの差を是正することが求められる。そして、これまでのメカニズム・デザインの視点では、それらの目標は外生的な(所与の)ものとして扱われていた。しかし、社会目標は、社会を構成する個々人の選好から形成される内生的なもののはずである。つまり、理論研究の内部に不整合性が生じていたのである。 この不整合性を解消するものとして、Fehr & Schmidt (1999) の利他的選好を導入したのである。具体的な研究成果として、3人モデルにおいて、耐戦略性に加えて、効率性と個人合理性を満たすメカニズムの設計とその特徴づけを行った。また、非対称な環境における公平性の概念として、新しい無羨望性についても考察を行った。通常の公平性は対称な状況についての概念であり、モデルに適した形に拡張する必要があった。今後はこの公平性を用いてさらに研究を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しいモデルにおける耐戦略性を満たすメカニズムの設計・分析も進み、結果を得ることができた。また、セミナー報告を通して、ポジティブな評価があり、順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに考案した公平性の概念を用いて、耐戦略性を満たすメカニズムの設計・分析を行っていく。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)