2020 Fiscal Year Research-status Report
The theoretical analysis of skill-biased technological progress and occupational choice in developing countries
Project/Area Number |
19K01616
|
Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
松尾 美紀 京都産業大学, 経済学部, 准教授 (50437282)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊ヶ崎 大理 日本女子大学, 家政学部, 教授 (10336068)
友田 康信 広島大学, 人間社会科学研究科(社), 教授 (30437280)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 貧困の罠 / スキル偏向型技術進歩 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、理論的枠組みの中で、児童労働が生じる新たなメカニズムを示すことを目的としている。経済が発展することにより、児童労働が減少していくことは既存研究においては示されているが、経済が成長しているにもかかわらず、児童労働が増加している国も存在している。本研究では、このような現象を説明するために、労働市場の需要サイドに着目している。国際貿易がない経済においても、スキル偏向型技術進歩が職業間だけではなく同一の職業を持つ労働者間においても、所得格差を拡大させることを示すために、職業選択を行う動学モデルの構築を試みた。 また、低開発国の経済特有の問題についても分析しており、家計の教育投資についても研究を進めた。有効な貯蓄手段がない低開発国において、教育投資は貯蓄の側面があるが、親が子どもに教育投資を行ったからといって、必ずしも将来子どもが面倒を見てくれるとはかぎらず、世代間の利益相反が生じる。このとき、家計が子どもに教育投資をし続けることが、極めて難しいことを示し、まとめた論文を寄稿している。さらに、教育投資を子どもにし続ける条件についても、明らかにすることができ、2021年度中に論文にまとめたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遠隔授業などの対応に追われ、共同研究で打ち合わせをする時間が減ったことが挙げられる。また、スキル偏向型技術進歩と職業選択モデルの導入による労働市場を分析した先行研究があり、モデルの構築について再考する必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、共同研究者と打ち合わせを行い、労働市場の需要サイドに起因する児童労働の発生メカニズムを明らかにする。また、引き続き低開発国の経済特有の問題を考慮した児童労働の発生メカニズムについても研究をすすめる。
|
Causes of Carryover |
学会等が全てオンラインになり、出張に行かなかったことが挙げられる。 昨年につづき、2021年も研究打ち合せや学会もオンラインであることが予想されるため、PC、ディスプレイ、マイクやスピーカーなどの周辺機器を購入する。
|