2020 Fiscal Year Research-status Report
途上国における企業レベルの中間財利用の変化と生産性,輸出パフォーマンス
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19K01619
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
瀧井 貞行 西南学院大学, 経済学部, 教授 (60311320)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 国際貿易 / 多国籍企業 / インドネシア / マイクロデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き,まずデータベースの整備とそのチェック作業を行った。昨年度データベースに追加した2016年のデータは,10年に一度のセンサス統計の年に当たるため,他の年と異なるフォーマットが利用されている。調査に用いられた個票をインドネシア統計庁から入手し,他の年のデータとの整合性の確認を行った。しかし,当該年のデータ内で利用されている事業所識別コードの一部がその年特有のものを含んでおり,他の年のデータとうまく接続できないものが含まれていること,さらにそのような事業所を識別することが困難であることから,予定を変更して当面は2016年のデータは分析対象から外すこととした。さらに,2013年以前と2014年以降において製品の分類方法に整合性がない可能性があると考えられたため,さしあたり2013年までのデータを用いて分析を行うこととした。 当該年度の予定は,事業所が利用する中間財の特徴を捉える指標を作成することであった。主に輸入品が利用されているかどうか,また,主に外資系企業が生産しているかどうかに基づいて中間財(7桁の製品分類コード別)を分類して,各事業所のシェアを計算したうえで生産性指標との関係を分析した。簡易的な分析結果ではあるが,主に輸入に頼っている製品や外資系企業が生産している製品を中間財として利用している事業所は生産性が高いことが示された。特に,2000年前半の分析においては,輸入に頼っておりかつ国内では主に外資系企業が生産している中間財の輸入シェアが高い事業所は他の事業所と比べて生産性が高いことを示す結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
分析に用いるデータに予想外の問題がいくつか見つかったため,そのチェックに時間を要してしまった。また,在外研究期間において受入機関のキャンパスが閉鎖されたことなどで研究環境が変化したこと,帰国の準備や帰国後の授業準備などで予定していたエフォートを配分することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
できるだけ研究のための時間を確保し,遅れを取り戻したい。また,データの問題についてはデータ元のインドネシア中央統計庁に問い合わせるなどして情報収集に努めていきたい。
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Causes of Carryover |
海外出張を予定していたが実施できなかった。そのため,データ購入手続きが遅れている。データ購入手続きを進めたい。
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