2019 Fiscal Year Research-status Report
北欧におけるイノベーション政策の刷新とそのミクロ的基礎としての触媒組織・人材
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19K01650
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
徳丸 宜穂 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00387656)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | イノベーション政策 / 中間組織 / 対話 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,次の調査研究を行った. 第1に,地方自治体におけるヘルスケアの情報システムの公共調達を契機として,ヘルスケア産業の発展を政策的に図ろうとしたオウル市の事例について,各組織に対して聞き取り調査を実施し,そこでの各組織の実践と関与について情報を収集した.これは来年度以降の本格的な調査を計画する際の基礎的知見となる. 第2に,中間組織と人材に関する予備的調査を実施した.具体的には,地方自治体および中央政府に属する,独立性が高い組織に所属する個人の実践と,彼ら彼女らのキャリアと能力形成に関する情報を収集した.これもまた,次年度以降の本格的調査を企画する際の基礎資料として用いられる. 第3に,利害関係者間の協議を促進するという意味での「触媒作用」をより具体的に明らかにするために,「対話」概念とその実践に関する基礎的な文献サーベイと調査を行った.後者は具体的には,フィンランドで広く実践されるようになっているopen dialogueの実践に関して,大学および自治体の実践者・研究者に対する聞き取り調査をおこなった.これは,次年度以降の研究の基礎的な分析枠組みを構築するのに資する知見である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備的な調査を実施し,次年度以降の基礎を作るという目標は基本的に達成されたと考えるため.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度については世界的なコロナ禍のため,現地調査は極めて困難だと考えている.そのため,文書資料の収集・検討と,オンラインでの聞き取り調査を可能な限りで進めることにしたい.本制度の繰り越し規定を活用し,可能ならば本年度の研究費・現地調査を繰り越ししたいと考えている.
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Causes of Carryover |
当方の健康上の都合により,調査のための渡航を1回分断念したために,余剰金額が出てしまっている.本年度は渡航そのものが難しいと見込まれるため,渡航が可能になった時点で予定していた調査を行うことにしたい.
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