2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K01671
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
青木 周平 信州大学, 学術研究院社会科学系, 教授 (00584070)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 金融の成長 / 投資信託 / 金融の単位コスト |
Outline of Annual Research Achievements |
アメリカにおいて、1970年代以降、インデックス・ファンドやモーゲージ債の発展などにより金融部門の付加価値が増える「金融の成長」が起きている。この原因を定量的に説明するため、2019年度は、理論面では、マクロ経済モデルを作成し、実証面では、分析に必要なデータの整備を行った。2020年度には、理論モデルをさらに掘り下げ、投資信託が、有限個の個別株から構成されるバージョンと、非可算無限個の個別株から構成されるバージョンの2つのバージョンのモデルを作成した。後者のバージョンでは、複数の島からなるモデルを構築し、島へのショックとしてモデル化している(島モデルと呼ぶ)。2021年度には、経済全体に影響するショックも考慮してモデルを構築する必要があるのではないかという指摘を受けたため、経済全体に影響するショックが存在する修正版の理論モデルを構築した。2022年度は、これまでに作成した複数のバージョンのモデルを比較し、現実の経済において、経済全体のショックは定量的に大きくはないこと、島モデルを用いる方法が分析が容易でかつ直観的な解釈が可能となるため、主として島モデルによる方法を採用することとした。あわせて、偏微分方程式の数値解法に関する検討も行った。2022年度は、本研究の初稿を完成させて、2023年1月にはセミナーでの報告を行った。2023年度は、これらの研究成果をとりまとめ、東京大学学院経済学研究科附属金融教育研究センターのワーキング・ペーパーとして完成させ、英文査読誌への論文投稿を行った。また、本研究に関し、2023年9月に学会報告、2023年12月にはセミナーでの報告を行った。
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