2019 Fiscal Year Research-status Report
The estimation of supervisor effects, and the structural estimation of the learning model of supervisor assignment
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19K01718
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高橋 新吾 広島大学, 国際協力研究科, 准教授 (70445899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都留 康 一橋大学, 経済研究所, 特任教授 (00155441)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 人事評価 / 主観的評価 / エージェント理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
車販売会社の人事データを使い、人事考課が販売実績でとらえきれないパフォーマンスを評価するために使われているかを計量経済的に測定し、論文を執筆した。新人教育などは販売実績でとらえることのできないパフォーマンスの代表的なものであるが、このようなタスクのパフォーマンスは主観的評価に反映されているであろうか。エージェントが車販売と新人教育の2つのタスクをこなすシンプルなプリンシパル・エージェントモデルを考えてみる。もし主観評価が新人教育を考慮に入れているとしたら、新人教育の重要性が大きくなればなるほど、教育に対するウエイトが大きくなり、したがって販売に対するウエイトが小さくなる。この理論的含蓄がテスト可能である。実際、人事データを使って推定を行ったところ、新人の多い販売課では、人事考課のにおいて車販売に対するウエイトが減少することが確認された。「人事考課が販売実績でとらえきれないパフォーマンスを評価するために使われている」という仮説と整合的である。また、法人に対する販売が大きくなればなるほど、販売に対するウエイトが減少することも確認された。法人販売は、個人向け販売に比べて、リピート購入や車検などの長期的な収入がより重要になる。よって、この結果は、長期的な顧客メンテが主観的評価で評価されていたという仮説と整合的である。しかしながら、人事考課が販売実績が示すより著しく低くなっている場合もある。その場合、経験年数の低い上司に関しては部下が辞める確率が高くなるが、経験年数の高い上司に関してはそのような傾向はないことが分かった。さらなる詳細をしたところ、評価を下したあとの上司のコーチング能力の違いがこのような傾向を生んでいることが解明された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
投稿論文が、Industrial & Labor Relations Reviewに採択された。
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Strategy for Future Research Activity |
チームリーダー能力のラーニングモデルの構造推定の為のプログラムを作成し、実際の構造推定を行なえるようにすることを目標とする。また、文献検索を行い、論文の全体的な構成を立案することを目標とする
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Causes of Carryover |
ラップトップコンピューター、および統計ソフトの購入を次年度にすることにした。
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