2020 Fiscal Year Research-status Report
The Degree of Competition on the Cost Frontier and Intertemporal Regular Linkages in the Japanese Banking Industry
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19K01733
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| Research Institution | University of Toyama |
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Principal Investigator |
本間 哲志 富山大学, 学術研究部社会科学系, 教授 (60241775)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 動学的費用非中立的効率性 / 動学的価格非効率 / 一般化使用者収入モデル / 一般化使用者収入価格 / 拡張された一般化ラーナー指数 / 効率性仮説 / 平穏仮説 / 異時点間規則的連鎖 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度に作成された実証モデルに基づきながら，引き続きその地方銀行への適用をより厳密に行った．具体的には，銀行論の産業組織論的分析で重要な次のトピックスを実証的に明らかにすることによって，平穏仮説（quiet-life hypothesis）の実証的含意を探った．第1に，静学的及び動学的費用非中立的効率性，第2に，コスト・フロンティア上の銀行と実際の費用上の銀行の相対的危険回避度，第3に，コスト・フロンティア上と実際の費用上の参照利子率，第4に，動学的価格非効率，第5に，コスト・フロンティア上と実際の費用上の一般化使用者収入価格，第6に，コスト・フロンティア上と実際の費用上の拡張された一般化ラーナー指数（EGLI），第7に，効率性仮説と平穏仮説の検証，第8に，平穏仮説とコスト・フロンティア上のEGLIとの関係，第9に，異時点間規則的連鎖である．得られた主要な結果は次の通りである．
第1に，わが国の地方銀行については，効率性仮説は成立していないが，平穏仮説は成立している．さらに，この平穏仮説の成立はコスト・フロンティア上のEGLIを上昇（競争度を低下）させるため，独占禁止政策は正当化される．
第2に，わが国の地方銀行においては，単一期間動学的費用効率性，単一期間最適金融財，単一期間ハーフィンダール指数，コスト・フロンティア上の単一期間EGLIの異時点間規則的連鎖が存在している．しかしながら，このEGLIの異時点間規則的連鎖は収束し，初期値の非常に大きな値に固定化されるため，単一期間動学的費用効率性及び単一期間最適金融財の異時点間規則的連鎖と同様に，わが国の地方銀行においては望ましくないと判断される．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り，初年度に作成された実証モデルに基づきながら，その地方銀行への適用をより厳密に行い，その成果をワーキング・ペーパーにまとめることができたため，おおむね順調に進展していると判断した．
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| Strategy for Future Research Activity |
わが国地方銀行についての研究成果はすでにワーキング・ぺーパーの形でまとめることができているため，これを富山大学リポジトリ（ToRepo）にて公表する予定である（現在公開手続き中である）． また，残された時間で都市銀行についての研究にもできる限り取り組む予定である．これまでの地方銀行の分析で蓄えられたデータ作成に関する知見や推定プログラム作成・改良のノウハウ，コンピュータ活用のノウハウ，実証結果の見方や解釈に関するノウハウ等を最大限に活用しながら実証分析を進める予定である．さらに，コロナ禍でリモート・ワークを強いられる可能性が高いため，自宅での作業環境を整えて行く予定である．
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| Causes of Carryover |
コロナ禍でのリモート・ワーク等の進展により，当初計画の予算より少なくて済んだことが最大の理由である．この次年度使用額は在宅での研究作業環境整備に充てる予定である．
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Research Products
(2 results)
