2023 Fiscal Year Research-status Report
新興国における債務の規模と構成:金融危機の連鎖を避けるために
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19K01753
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
塩谷 雅弘 金沢大学, 経済学経営学系, 准教授 (70340867)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | マクロ金融連関 / グローバル金融循環 / リージョナル・ショック / アジア新興国 / 欧州新興国 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は以下のことを行った。第1は、債務増加がマクロ経済に与える影響の検討(課題2)について、アジア地域の新興国におけるグローバルな金融変動を考慮したマクロ金融連関の研究をより改善させた。具体的には、グローバルな金融および実物変動の特定に関する様々な手法を検討し、また。各国GDPの変動に対するグローバルな金融変動ショックの貢献の大きさが先進7カ国とアジア新興国で異なる結果の解釈を充実させ、学術雑誌への投稿に向けて準備を行った。第2は、同じく課題2について、アジアと欧州地域の新興国を対象として、グローバルな金融循環、地域的な金融および実物循環を考慮したマクロ金融連関の実証分析を改善させた。具体的には、地域的な金融変動の特定手法を見直したこと、そして、欧州地域の新興国における地域的な金融変動ショックのGDP変動に与える貢献がアジア地域のそれらよりも大きいことの解釈を充実させたことである。研究の成果は、エクス・アン・プロヴァンス政治学院(Sciences Po Aix)で開催された国際金融経済関連のワークショップで発表し、有益なコメントを得ることができた。そして、第3は、金融危機の連鎖を避けるための政策の検討(課題3)について、為替政策、資本規制政策、そしてマクロプルーデンス政策など対外ショックの影響を緩和させる政策の効果、また、これら政策の組み合わせ効果に関する研究の文献調査を行い、論点を整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染拡大がやや落ち着き、感染拡大防止のための対応は減り始め、また国内外の研究者との意見交換の機会は増え始めてきたが、まだ完全に落ち着いてはおらず、やや遅れ気味である。研究の基礎的な分析は終了しているが、研究の完成度を一層高めての学術雑誌への投稿が残されている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は研究の最終年度として、以下のことを行う。第1は、債務増加のマクロ経済への影響の検討(課題2)について、これまでのディスカッションペーパーにまとめた2つの研究の完成度を高めて、学術雑誌に投稿する。第2は、金融危機の連鎖を避けるための検討(課題3)について、引き続き文献調査を進め、これまでの分析結果の政策的含意をまとめる。必要に応じて、新たな証分析を行い、結果をディスカッションペーパー等にまとめる。
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Causes of Carryover |
これまで実施予定であった英文校正の一部が、論文執筆遅れのため次年度に実施することになった(予算区分「その他」)。
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