2020 Fiscal Year Research-status Report
Entrepreneurship and social network
Project/Area Number |
19K01900
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Research Institution | Nagoya University of Commerce & Business |
Principal Investigator |
石井 正道 名古屋商科大学, 経営学部, 教授 (60356277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢本 成恒 名古屋商科大学, 経営学部, 教授 (10635775)
亀倉 正彦 名古屋商科大学, 商学部, 教授 (60329688)
柳 承辰 名古屋商科大学, 経営学部, 講師 (80580307)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アントレプレナーシップ / ネットワーク / 多様性 / ケーススタディ / シュンペーター / カーズナー / 創造型 / 発見型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、Creation(Schumpeter)型とDiscovery(Kirzner)型の2つのアントレプレナーシップの間で、ネットワーク構造及びネットワーク形成プロセスに 関して違いを明らかにし、アントレプレナーシップにおけるネットワークのマネジメント方法に関する知見に貢献することである。2020年度はインタビュー調査を実施する予定だったが、前年度に続き、コロナで実施することができなかった。このため、年度途中でコロナの長期化を見越して研究方針を見直した。コロナでインタビュー調査によるデータ入手ができないため、既存のデータを対象にして研究を実施することにした。研究代表者が過去行った2つのインタビュー調査のデータを使用することにした。1つは製造業における新規事業機会発見に関する事例研究(石井、2009)でCreation(Schumpeter)型を扱っている。もう一つは総合商社における新規事業機会発見に関する事例研究(Ishii et al., 2014; 石井他、2015)でDiscovery(Kirzner)型を扱っている。とりあえず試験的に、1つづつケースを抽出し、ネットワークの多様性について比較分析を行った。先行研究(Upson et al., 2017)は「Creation型は多様性のネットワーク、Discovery型は同質性のネットワークをそれぞれ使用する」と主張しているが、今回の試験的研究結果では「Creation型もDiscovery型も両方とも多様性のネットワークを使用している。ただし,多様性の内容が異なる」ことが示され, 先行研究との違いが現れた。この研究結果については論文にまとめNUCB Journal of Economics, Management and Humanitiesに掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度に行う計画であったインタビュー調査がコロナの影響で実施できなかった。年度の途中で方針を変更し、インタビュー調査によるデータではなく、既存のデータを分析することにした。そのため、既存のデータで分析できることは限定的なため、本年度は多様性に焦点を当て研究を実施した。当初の計画と比べると遅れているが、柔軟に計画を変更することで、ある程度挽回したと思う。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度もコロナの影響があると想定し、インタビュー調査の代わりに既存データの分析を中心に研究を行う。2020年度に行った試験的研究で示された先行研究との違いについて、さらにサンプルを増やしたり、裏付けのための先行研究調査などを行い「ネットワークの多様性に関する2つのアントレプレナーシップの違い」について検証していく予定である。また、既存のデータではインタビュー調査によって収集できるデータが得られないため、既存のデータによって分析できる研究課題を抽出するために先行研究を行い、多様性以外で有用な研究視点が見つかれば、さらに既存データを分析する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナによってインタビュー調査ができなくなったため使用額が少なくなっている。次年度の使用計画においても、コロナでインタビュー調査が行えないと考えられ、初期の研究計画を変更し既存データの分析を中心に研究を進めることを前提として考えることにする。既存のデータ分析ではネットワークの多様性の視点で分析が可能のため、その研究をより深く進め、結果を海外への学術誌に投稿するための費用が発生する。さらに、多様性以外の視点で分析を進めるために、他の有力な視点を抽出するために再度先行研究を大量に読みこなし、有力な分析視点を見つけ出したのち、その視点から既存データを分析する作業を行った上で、論文投稿を行いたい。これら一連の作業を行うためのパソコン等の機器の購入を計画している。
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Research Products
(1 results)