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2019 Fiscal Year Research-status Report

中小企業のイノベーションにおけるR&D型non-R&D型研究開発の実証的比較研究

Research Project

Project/Area Number 19K01906
Research InstitutionKobe International University

Principal Investigator

滋野 英憲  神戸国際大学, 経済学部, 教授 (40206082)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 文能 照之  近畿大学, 経営学部, 教授 (30388491)
辻 正次  神戸国際大学, 経済学部, 教授 (90029918)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
KeywordsR&D / non-R&D / ICT / 組織の自律性 / イノベーション過程
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、中小企業のイノベーション過程を分析し、それを促進する要因は何 かを明確にすることである。中小企業は資本金や従業員数により分類されるが、そのR&Dやイノベーション遂行の方法は千差万別である。本研究では、これまで申請者が行ってきた実地調査やアンケート調査の分析から、中小企業のイノベーション過程や研究開発 を R&D 型と non-R&D 型に分類し、比較検討し、イノベーションに必須の要因を抽出するという方法論を採用している。
2011年と2018年にイノベーションに関する中小企業を対象とした調査結果より、R&D 部門を所有する中小企業を対象としたモデルの推計結果から、イノベー ションの達成に ICT 活用がポジティブに影響を与えている。経営者の新規事業への関与レ ベルの高さがイノベーションの達成にポジティブに影響を与えているため、R&D 自律性が イノベーションの達成に有効に機能していないことが推測される。これに対し、Non-R&D の中小企業を対象としたモデル 2 の推計結果では、R&D 自律性、ICT 活用、ICT 補助金の 獲得がイノベーションの達成に有意にポジティブな影響が認めらる。つまり、R&D 部門を 所有しない小規模な企業は、ICT 補助金の獲得より ICT 活用を促進し自律性の高い R&D 活動でイノベーションを達成していることが推測される。従来の研究では、小規模の企業ほ ど経営者の新規事業や新製品開発へのリーダーシップ能力の高さが、イノベーション達成 には重要な要因とされてきたが、ICT活用の側面からイノベーション達成を検討した場合、R&D の自律性が高いことが効果的であることが新たな知見として得られ商品開発・管理学会第33回全国大会(2020年3月27日早稲田)で発表された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

昨年度予定していたアンケート調査がコロナウイルス感染症拡大などのため実施が遅れ、本年度にずれ込んでいることが当初予定してた点と異なる状況である。その他の点においては、おおむね順調に進捗している。

Strategy for Future Research Activity

過去2度の調査結果を踏まえ同一企業に3度目の調査を実施しする予定である。3時点のパネルデータを分析対象にさらに本研究の目的である中小企業のイノベーション過程をR&D、non=R&Dの視点から分析し、それを促進する要因は何かを明確にする。アンケート調査から得られたデータを基礎に、何がイノベーションの要因であるか、その要因間での因果関係を検証するものである。このために、(i) 操作変数法、(ii) パネ ルデータ分析、 (ⅲ)SEM(Structured Equition Model)、SEMは変数間の因果関係を分析するものであるが、さらに変数間の因果関係の分析に加えて、この「因果関係」に影響を与える要因の分析をMediation analysisにより行う。今後、実施予定のアンケート調査は、インターネットを通して実施し過去のデータとの整合性を確認した後に 本研究目的の検証を行う。特に、アンケートデータを用いる先行研究では、ほとんどがクロスセ クションデータを用いている。本研究では、これまでアンケートを行った企業に対して再度 質問票を送付し、3時点のパネルデータを構築し、パネルデータ分析を行う。アンケートデ ータを基礎とするパネルデータ分析は、これまでの類をみないものであると考えている。

Causes of Carryover

アンケート調査実施が遅れたため本年度中に実施予定。

  • Research Products

    (3 results)

All 2020 2019

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 地場企業のイノベーションの高度化に関する実証分析:阪神地区の事例2019

    • Author(s)
      松崎太亮 滋野英憲 辻正次
    • Journal Title

      商品開発・管理研究

      Volume: 15巻2号 Pages: 3-25

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 日本のイノベーティブな中小企業のイノベーションプロセ スにおける R&D と ICT との関係性: R&D 部門所有の有 無の観点からのパネル調査データ分析2020

    • Author(s)
      滋野英憲 文能照之 辻正次
    • Organizer
      商品開発・管理学会
  • [Presentation] 中小企業におけるイノベーションと吸収能力の関係性 -アンケートに基づくパネルデータ分析から-2020

    • Author(s)
      文能照之 滋野英憲 辻正次 井戸田博樹
    • Organizer
      商品開発・管理学会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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